239人もの乗客乗員を乗せたマレーシア航空MH370便(ボーイング777-200型機)が3月8日に消息不明になった事件から、まもなく1年が経とうとしている。しかし、この事件の当事者であり、真相を知っているはずのマレーシア航空、マレーシア政府、そしてアメリカのボーイング社のいずれからも、真相は明らかにされていない。

マレーシア政府が唐突に「乗客全員死亡」と発表

さまざまな憶測が飛び交う中、マレーシア政府当局は2015年1月29日、唐突に「MH370便はインド洋南部の海域に墜落した」と結論付け、「乗客乗員239人全員が死亡したと推定される」と発表した。この発表を受けて、マレーシア航空は遺族らへの補償を進めていく意向を明らかにした。また、機体の残骸などは見つかっておらず、捜索は引き続き行われるという(29日付米AP通信)。

中国人乗客の親族がマレーシアで抗議活動

この突然の発表に対し、親族らは怒りをあらわにした。MH370便に乗っていた中国人乗客の親族21人は2月12日、マレーシアの首相府前やマレーシア航空のオフィスの前で、政府の発表の撤回と説明を求める抗議活動を行った。本来なら一家団らんで過ごすはずの旧正月の大晦日(18日)にも、同様のデモが行われたという(19日付中国新浪)。

記事によれば、デモでは「マレーシア当局の発表は矛盾だらけだ。事実を隠蔽しているのではないか」など、親族の悲痛な訴えがあったという。

公式発表では、同機はインド洋南部に墜落したとされており、捜索も同海域で行われている。しかし、この公式発表とは異なる情報が次々と浮上してきている。

南シナ海で「火の玉になって落ちる飛行物体」の目撃情報が浮上

同事件が発生した2014年3月、南シナ海に建設された石油プラットフォームで働いていたニュージーランド人のマイク・マッケイ氏は、事件が発生した日の未明、夜空に「火の玉になって落ちる飛行物体」を目撃していた。その方角と時間は、MH370便がレーダーから消えた位置と時間に合致していたという(18日付英DailyMail紙 http://www.dailymail.co.uk/news/article-2951991/ )。

記事によれば、マッケイ氏は、目撃した物体はMH370便の機体だと確信し、電子メールで勤務先と、マレーシア、ベトナムの両政府に目撃情報を報告したが、政府の対応に変化はなかったという。しかも同氏は、報告メールの情報が漏えいしたことなどもあり、直後に解雇されてしまった。

落胆し、ニュージーランドに戻ったマッケイ氏は長く口をつぐんでいたが、このたび英DailyMail紙の取材に応じ、「今でも、自分が炎上したMH370便を目撃したことに確信を持っている。もしそうであるなら、同機は南シナ海に墜落しているはずなので、インド洋を中心に捜索している政府は全く違う場所を探していることになる」と語っているという。

機体の破片が南シナ海のベトナム沖に漂着?

(画像1)マッケイ氏が機体を目撃したとする場所と、エイカース氏が残骸を発見したとする場所。

(画像2)エイカース氏が発見した、南シナ海を漂流するMH370便の破片とみられる衛星写真。

(画像3)エイカース氏が発見した、ベトナム沖に漂着するMH370便の破片とみられる衛星写真。

また、以前本欄で紹介したとおり、イギリスの海洋考古学者ティム・エイカース氏が、MH370便失踪の2日後の衛星写真を分析した結果、ベトナム沖に同機の機体の一部と見られる破片を発見したと発表し(画像2参照)、英メディアなどに取り上げられた。2014年10月初めには、新たな衛星写真の分析により、多くの破片がベトナム南岸に漂着しつつあると主張している(画像3参照)。

もし、整備不良などの人為的ミスで墜落していたとすれば、マレーシア航空はおろか、その主な出資元である政府が責任を問われ、政権がひっくり返る可能性もある。また、同機を製造していた米ボーイング社も責任を免れず、大きなダメージを受けるだろう。エイカース氏は「マレーシア政府が複数の国家や組織ぐるみで、事件を隠蔽しようとしている」と主張する。

墜落原因は「機体の事故」で南シナ海に沈んだことを透視

この事件の真相を明らかにするために、大川隆法・幸福の科学総裁は、事故発生からわずか5日後の2014年3月13日、エドガー・ケイシーの霊を呼び出し、MH370便の行方を探る「透視リーディング」を行っている。

エドガー・ケイシーの霊は、同機の左翼が折れ、左に旋回しながらきりもみ状態で落下していく様子を描写し、「一度、事故を起こしている機体だった。修理が不十分だったようだ。これはミサイル攻撃やテロ攻撃などではなく、事故だ」と断言した。また、当時も今もインド洋と発表されている飛行機の墜落場所については、「南シナ海のかなり深いところに墜ちている。浅く見ても1000メートルはあるところまで沈んでいるので、捜索が難航すると思われる」と述べた。

マレーシア政府は誠意ある対応を

このリーディングの通り、水深1000メートル以上のところに沈んでいるなら、真相究明が難しいことは事実だろう。しかし、マレーシア政府が確たる証拠について言及がないまま「インド洋に墜落した」と結論付けたり、目撃情報を提供した人物が解雇されるなど、不可解なことが多すぎる。

同様の悲劇が二度と繰り返されることのないように、誠意をもって事故の原因を究明し、航空産業の安全性向上につとめることこそ、亡くなった方々への供養にもなるのではないか。(真)

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2014年10月14日付本欄 行方不明のマレーシア機の破片が南シナ海のベトナム沖に漂着? 「インド洋墜落」説は不自然

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2014年6月3日付本欄「マレーシア機は底部と左翼が外れて爆発」と英海洋考古学者が主張

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7941

2014年5月21日付本欄 行方不明のマレーシア航空機 ボーイング社が何か知っているのか

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7857