イスラム国は人質や敵の兵士を処刑する映像をたびたび公開している。提供:Islamic State/Visual Press Agency/アフロ

2015年4月号記事

イスラム・テロをなくす道 2

イスラム国の「正義」

日本は欧米と中東の仲裁者たれ

パリのシャルリー・エブド紙襲撃事件に続き、

「イスラム国」による日本人人質殺害事件が起きるなど、

年初からイスラム過激派によるテロが相次いだ。

先月号に続き、イスラム・テロをなくす道を考えていきたい。

(編集部 大塚紘子、長華子、河本晴恵、冨野勝寛)


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イスラム国はイラク北部とシリア東部を中心に支配地域を広げており、日本の四国と九州を合わせたほどの面積に達している。

「このナイフがお前たちの悪夢となるだろう」

過激派組織「イスラム国」が公開した映像の中で、黒ずくめの男は、日本人人質にナイフを突きつけながらこう言い放った。

安倍晋三首相が、イスラム国対策費として中東に計2億ドルの資金援助を表明したことを受け、イスラム国は資金援助と同額の身代金を要求。安倍首相が「テロには屈しない」と声明を発表すると、イスラム国は人質2人を相次いで殺害した。

その後、各国の首脳や国連がイスラム国を非難する声明を発表し、イスラム国に対する空爆を強化。アメリカのオバマ大統領が地上軍の派遣を認める決議案を議会に提出するなど、情勢は緊迫の度合いを増している(2月19日現在)。

問題の本質は「正義」をどう考えるか

イスラム過激派の問題については、多くのメディアが「テロとの戦い」と報じている。しかし、大川隆法・幸福の科学総裁は1月に横浜で行った法話の中で、これは「正義」をどう考えるかの問題だと指摘した(注1)。

「世界には大きく二種類の正義があります。一つは『正義は神が決める』という考え方です。もう一つは『正義は人間が民主主義で決める』という考え方です。そして、その中間に『正義は神の意を伺いながら民主主義で決める』という考え方もあります」

イスラム教徒は、「正義は神が決める」と考えており、過激派組織も例外ではない。しかし、彼らが本当に神の心を分かっているのかという一定の疑問もある。一方、欧米の民主主義国が正しいかと言えば、そうとも言えない。

正義の観点からイスラム・テロを見たとき、今、国際社会が直面する問題の本質が浮かび上がってくる。

次ページからのポイント

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