「世界宗教」としての日本神道 - 編集長コラム

「世界宗教」としての日本神道 - 編集長コラム

2015年3月号記事

 

編集長コラム

 

「世界宗教」としての日本神道

 

 戦後70年が静かに始まった。ただ、どの国が戦争をめぐる歴史観の見直しを阻もうとしているか、はっきり見えてきた。

 安倍晋三首相が年頭の記者会見で、新たな首相談話を出すことを改めて表明すると、アメリカの報道官はすかさず、河野・村山談話を踏襲するよう求めた。それに中国、韓国も同調したが、アメリカがやや突出している。日米は4年半も直接戦ったので、当然かもしれない。その間アメリカは「野蛮な宗教を持つ野蛮な民族が、悪魔的に侵略してきた」と思い込んでいた。それを今も引きずっているようだ。

 一方でアメリカ人は、日本人の道徳的な国民性に度々驚く。2011年の東日本大震災で、米メディアは「なぜ略奪が起きないのか」「救援の列に整然と並び、かつ譲り合う」と盛んに報じた。日本人には当たり前の光景だが、海外の人には「奇跡」に見える。

 先の大戦の約50年前、日本が「無血革命」を実現し、非欧米圏で初めて近代国家を創ったことも「奇跡」の一つだ。アメリカの論理だと、日本人は戦争中に突然悪魔になり、戦後は道徳的な国民に戻ったとでも言うかのようだ

 

 

「日本神道は世界神とつながっている」

 何が日本人の本当の姿なのだろうか

 幸福の科学の大川隆法総裁は、近著『日本神道的幸福論』で神道の本質を解説した。この中で、古代文字で書かれた文献『ホツマツタヱ』に「天御祖神」という神が天地創造したと書かれており、神道に世界宗教性があると指摘。その上でこう述べている。

「そういう意味で、私としては、日本人を野蛮人扱いする宗教論を、そう簡単に全部受け入れることはできません。『民族主義的なものだけではなく、奥には、世界神的なものとも、しっかりとつながっている考え方がある』というように考えています」

『ホツマツタヱ』の成立は、古事記、日本書紀(記紀)から600年余り前の紀元110年ごろとされる。記紀では、宇宙は先にあって後から天御中主神や国之常立神が突然現われるが、『ホツマツタヱ』では、以下のように天御祖神が宇宙を創造する。

 天御祖神が息を吹くと、大きな壺と、その中に透き通った柱が現れる。その柱の周りを光がめぐり、「陽」「陰」が生まれる。「陽」は太陽となり、「陰」は地球(くにたま)と月になった――。

 

 

慈悲の神としての天御祖神とエローヒム

縄文時代から使用されていた古代文字ヲシテの48音図(日本ヲシテ研究所のホームページより)。この文字を使った『ホツマツタヱ』に天御祖神による創造神話が書かれていた。

 

システィーナ礼拝堂に描かれた旧約聖書・創世記の太陽や月、植物を創造する場面(ミケランジェロ画)。創造神・エローヒムは、日本神道の天御祖神と同じ神なのか。

 天御祖神は人間の創造も行った。巨大な柱を通じて、あの世からこの世に人間の魂を降ろし、その後、転生輪廻する人間を守り続ける。そんな慈悲の神だと記されている

 ユダヤ教とキリスト教の『旧約聖書』にも創造神が描かれているが、"2人"は同じなのか、違うのか。

 旧約の創世記の第1章では、神が言葉によって天や地、草木や動物を創り出す。続けて「我々に似せて人を造ろう」と宣言し、実行した。この場面では、世界は明るさに満ち、人間が善きものとして描かれている。

 ところが第2章になると一転して暗い影が差す。神は土の塵からアダムをつくり、アダムのあばら骨からイブをつくる。禁断の知恵の実を食べた2人に呪いをかけ、エデンの園から追放する。人間の原罪の始まりだ。

 実は、『旧約聖書』の神の表記を見ると、第1章では「エローヒム」、第2章では「ヤハウェ」と書き分けられている。これらは神の二つの側面と解釈されているが、「まったく別の神のことだ」という学説も根強い。

 つまり、エローヒムは中東からアフリカで信仰された至高神であり、愛の神。一方、ヤハウェはイスラエルの民が他の神を信仰するたびに怒る民族神で、裁きの神だという説だ。

 天御祖神もエローヒムも「人間の魂の親」であり、慈悲深い。『ホツマツタヱ』と『旧約聖書』は、同じ神への信仰を記した可能性がある

 イスラム教の神「アッラー」はエローヒムが語源で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は同じ神を信じている。それに加え、日本神道も同じ神を信じているとなると、これは驚くべきことだ。

 日本神道には世界宗教性がある。やはり、神道が野蛮で悪魔の宗教だというのは、明らかに間違いだ

 

 

日本による「奇跡」、高い道徳性と宗教融和

 逆に、日本神道の世界宗教性は、さまざまな「奇跡」を生み出してきた。

 東日本大震災での日本人の振る舞いは、神道の影響が大きい。神道には「教えがない」とされるが、大川総裁は近著『宗教社会学概論』で、神道の教えとして、禊祓いで穢れを落とすこと、調和を大事にする「和の心」、正義のために戦う武士道精神の3点を挙げた。大震災で礼節を重んじ助け合う高い道徳性は、これらの教えが根底にある。

 日本が歴史的に神道をそのまま残しながら仏教などを受け入れ共存させてきた「宗教融和」も、世界史上の「奇跡」と言っていい。

 ふつうは外来の高等宗教を受け入れると、その国の民族宗教や土俗宗教は滅びる。キリスト教にすっかり改宗したゲルマン人などの例がそうだ。

 聖徳太子は神道の枠組みを守りながら、仏教を国教として取り入れた。桓武天皇は、神道、仏教、道教などが融和する宗教都市・平安京をつくり、千年続く都となった。こうした宗教融和のあり方は、人類史上、見当たらない。

 一般には、神道が多神教で寛容だからとされるが、神道が消滅しなかったのは、世界宗教性があったためと考えるべきだろう。

 

 

天皇が率先した近代化

 明治の近代国家建設の「奇跡」も、神道を抜きに語れない。当時、欧米列強のアジア侵略が迫る中、日本はこれを跳ね返すため、短期間で西洋の自然科学と技術を学び、近代的な産業と軍備を整えた。

 特筆すべきは、神道の最高神官である天皇が近代化路線を率先垂範したこと。キリスト教文明をめいっぱい吸収しながら、同時に伝統宗教を国の柱に置けたのは、神道の世界性があったためだろう。

 

 

「八紘一宇」を実現した植民地解放

 日本が起こした最大の「奇跡」は、先の戦争によるアジア・アフリカの解放だろう

 90年代まで南アフリカで続いたアパルトヘイト(人種隔離)が19世紀後半、世界を覆おうとしていた。そこで日本は立ち上がり、孤軍奮闘し、正々堂々戦った。そして、欧米による植民地支配を打ち滅ぼしたが、同時に日本の国自体も壊滅にいたった。

 しかし戦後、数多くの国が独立し、「白人が人種差別にもとづいて世界を支配していい」という時代を終わらせた。

 戦時中、日本は「八紘一宇」の精神を掲げた。戦後は侵略思想と言われたが、実際は「一つの家のように仲良くしていこう」という平和繁栄の思想だった。もともと初代の神武天皇が即位式で、氏族たちを前に平和共存を宣言した言葉に由来する。日本は建国の精神の下、「白人も黒人も黄色人種もみな平等であるべきだ」と願って先の戦争を戦ったのだ

 

 

これからも「奇跡の民」であり続けられるか

東日本大震災で高い道徳性が海外から絶賛されるなど、日本人は「奇跡の民」と見られている。今後もそうあり続けることができるだろうか。写真:時事

 日本人には今後、もっと大きな「奇跡」を起こす可能性がある

 大川総裁は、聖書や『ホツマツタヱ』に語られている創造神、至高神そのものであることを自覚し、救世主宣言をしている。

 日本は明治期に欧米文明を輸入したが、これからは日本が新しい文明モデルを世界に広げる役割を期待されている。例えば、国際政治学者のハンティントンは、日本を西洋・イスラム・シナ文明などと並ぶ独立した主要文明と見なし、西洋とイスラムの間の「文明の衝突の調停者」であるべきだとした。

 どう調停するかは、本号の特集「イスラム・テロをなくす道」で、大川総裁の説く教えが"宗教戦争"を終わらせ、世界をさらなる繁栄に導くことを解説している。

 日本人は「奇跡の民」だった。これからもそうであり続けられるかどうか。その選択肢が日本人一人ひとりに示されている。

(綾織次郎)

 

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