財務省が隠す 「消費増税で税収は増えない」事実

財務省が隠す 「消費増税で税収は増えない」事実

 

消費増税の糸引き役である財務省のウソ

やはり消費増税は必要なかった

 

このほど閣議了解された経済見通しで、今年度の実質GDPは前年度比でマイナス0.5%と、当初の予測より大きく下方修正された。マイナス成長になる見通しが立つのは、2009年のリーマン・ショック以来、実に5年ぶり。

マイナス成長になった要因が、昨年4月の消費増税にあることは明らかだ。財務省主導の下、多くの政治家やエコノミスト、マスコミが消費税賛成をあおってきたが、ここにきて消費増税は本当に必要だったのか疑問の声も出始めている。

 

 

消費増税への疑問の声

 昨年末の衆院解散と総選挙により、今年10月に予定されていた消費税10%への増税は先送りされた。だが、安倍晋三首相は、2017年には必ず10%にするつもりだという。

「社会保障の財源確保のためには消費増税が必要」「増税しても景気は回復する」と述べて消費増税に賛成していた政治家やエコノミストたちは、消費増税による景気後退が顕著に現れても、消費増税を推進している。

 

 一方で、消費増税に反対し続けている人たちもいる。安倍晋三首相の経済政策ブレーンで内閣官房参与の浜田宏一・エール大名誉教授は、消費増税が景気に与える悪影響を一貫して主張し続けてきた。

 ノーベル経済学者・ポール・クルーグマン氏や、世界的な投資家として知られるジム・ロジャーズ氏も、日本の消費増税が間違いであり、消費税を8%から5%へ戻すべきだと述べている。

 

 昨年12月の「週刊現代」でも、消費増税を主導してきた財務省を批判する記事が掲載された。

 同記事では2つの観点から財務省を批判している。1点目は、昨年4月の消費増税を推進したことでGDPが失われて、税収が逆に減ってしまったこと、2点目は、円安が進んだことで外国為替資金特別会計(以下、外為特会)に多額の含み益が出ているのに、これを隠していることだ。

 

 

日本のGDPの6割は内需

「消費増税は景気を冷えこませ、結局税収は増えない」ということは、本誌は2009年から指摘し続けてきた。

 

 GDPとは、国内で生み出された付加価値の合計のことを言い、経済活動の活発度を計る指標として用いられる。GDPの成長率がプラスならば景気は回復傾向で、マイナスならば景気は衰退していることを意味する。

 

 日本の場合、GDP成長の鍵を握るのは「消費」だ。トヨタ自動車やホンダなどの世界的企業が、円安となったため輸出で業績を上げたというニュースがメディアを騒がすことが多い。そのため、日本は未だ「輸出立国」というイメージを持っている人もいるかもしれないが、実態は大きく異なる。

 総務省の発表によると、2012年の日本の輸出依存度は13.4%に過ぎない。これは、韓国の48.5%、ドイツの41.5%、中国の24.9%などと比較しても小さい。日本はGDPの6割が内需で占められる内需国だ。

 そのため日本の国内の景気を回復させるには、家計消費などを中心として「消費」を拡大する必要がある。

 

 消費増税は、この逆を行く政策だ。デフレ不況下で、ただでさえ国民の購買意欲は低い中、消費増税を行うと、国民の需要を喚起するどころか冷水を浴びせる結果にしかならない。

 

 結局、消費増税を行うと、消費税収は増えるが、やがて国民や企業はその負担に耐え切れなくなり、景気が後退していく。その結果、企業の収益は悪化し、雇用者の所得も減少する。そうなれば、法人税収、所得税収が減ってしまい、トータルの税収は増えない。

 

 財務省が発表している税収に関する統計を見ると、初めて消費税3%を導入した翌年の1990年は、前年と比べて税収が5兆円増えて60兆円となった。だが、その年をピークとして、その後20年間、日本経済は長い停滞期に入り、一度たりとも90年時の税収を上回ることはなかった。

 97年に消費税を5%へ増税するとさらに税収は減少した。消費税率を5%に上げた1997年とその翌年98年を比較すると、消費税収は増加したものの、所得税収と法人税収はそれぞれ2兆円減少。トータルで見ると53.9兆円から49.4兆円へと4.5兆円も減った。

 

 こうしたデータを見れば、消費増税をしても税収が増えずないことは明白な事実である。しかし、財務省はこうした事実を説明することなく、「増税しないと財政赤字が拡大する」というワンパターンのフレーズで国民の不安をあおってきた。

 

 

財務省の"埋蔵金"は利権の温床?

 2点目の「財務省が外為特会の含み益を隠している」という点は何が問題か。

 

 外為特会とは財務省が為替介入を行い、為替を安定させるための特別会計のことだ。外貨を購入するため、まず政府は金融市場で政府短期証券という債券を発行する。それを金融機関や機関投資家が購入することで、円資金を調達する。

 

 こうして獲得された外貨建て資産は、円安が進むに連れ資産価値が上昇し、利益を生む。この利益のことを「含み益」と言う。一時期“埋蔵金"として話題になったもののひとつだ。

 経済学者の高橋洋一氏は、現在、この含み益は現在10兆円以上あると分析しており、これを消費税でダメージを受けたGDPの埋め合わせに使うべきだと主張している。

 

 とはいえ、含み益はあくまでも一時的なもので、これに頼るのは問題がある。また、国防の危機などの緊急事態に備えるためにも、すべてを使い切ってしまう必要はないかもしれない。

 

 疑問が浮かぶのは、その外貨建て資産の額だ。日本の2014年度末の外貨準備(外貨建て資産)は151兆円もある。

 そもそも、先進国では変動相場制が基本であり、為替の値動きは市場の動向に委ねられるべきだ。急激な為替変動が起こらない限り、基本的に中央銀行が市場に介入する必要はなく、したがって多額の外貨準備を持つ必要もないのだ。

 実際、各国の外貨準備高をドルで比較すると、日本は1兆2669億ドルで中国に次ぐ2番目の高さ。ドイツ、イギリスはそれぞれ、1985億ドル、1044億ドルで、日本と比べて非常に低い(2013年データ)。

 

 これだけ多額の外貨を保有している理由として、外為資金の運用は財務省のみならず金融機関にとってもメリットが大きく、このメリットを与えながら財務省が金融機関を操ることができるからだという指摘がある。

 もし、こうした「利権」によって金融機関やエコノミストが財務省の意のままに操られ、税制や消費増税の決定を左右しているのだとしたら、大きな問題がある。

 

 

財務省の片棒を担ぐエコノミストやマスコミの罪

 以上見てきたような、利権を拡大するために消費増税の嘘を覆い隠してきた財務省には大きな罪がある。

 さらに問題なのは、消費税の問題点を知りながら片棒を担いでいるエコノミストやマスコミである。もし、消費税の問題点を知らないというなら「無知」の罪があり、国民に判断材料を提供する公人の使命を果たしているとはいえないだろう。

 

 税収を増やしたいならば、結局は経済発展するしかない。重税で国民を縛り上げる「大きな政府」ではなく、税金を安くし、国民に自由にお金を使ってもらう「小さな政府」を目指し、自由な経済活動によって経済全体を潤して税収の自然増を実現させることだ。

 

 国民の消費が落ち込み、赤字企業が7割を占める現状において、消費増税は愚策であることに早く気づかなければならない。

 

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『資本主義の未来』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1353

 

幸福の科学出版 『財務省のスピリチュアル診断』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=726

 

 

【関連記事】

「消費増税」で国民をミスリードしてきた人たちの名前 GDPマイナス成長への責任を (2015年1月13日付ニュースクリップ)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9042

 

消費税上げは“日本経済殺人事件" - The Liberty Opinion 1(2013年10月号記事)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6543

 

そもそモグラのニュース前提知識 - 財務省はなぜ強いのか? (2012年5月号記事)

http://the-liberty.com/article.php?item_id=4036

 

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タグ: 消費増税  財務省  GDP  浜田宏一  内需  デフレ不況  埋蔵金  利権  高橋洋一  経済発展  税収  

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