マグロの完全養殖を成功させたことで有名な近畿大学は、薬学部が開発した化粧品や、文芸学部が開発した、段ボールでできた子供用玩具など、多くの製品を産学連携で生み出している。産学連携の実績を示す「民間企業からの受託研究実施件数」では2013年に日本一となった。その近大が、企業を陰で支える立場から一歩進んでブランドを前面に打ち出し、昨年12月から近大マグロの中骨を使ったカップラーメンを売り出している。

こうした動きから「近大が“総合商社化"しようとしている」という見方もある。開発した化粧品については、東京での販売初日には准教授や学生が売り場に立って消費者の反応を見るなど、実際の企業の商品開発に近づいている(産経新聞2014年12月28日付)。

一方、大学は高等教育の場であるとして、「研究」や「教育」に専念すべきだと考える人の中には、近大が商売に励むことを疑問視する向きもある。ネットには、「大学でやるレベルではない」「ちゃんと学問しろよ」などの意見も一部ある。

ただ、自分が学んでいることが実社会にどう役立つのか、自分で価値があると思ったものを市場がどう受け止めるのかを、早い段階から知ることは、勉強すべき内容を知ることにもつながり、企業家精神を持つ人材に近づけるという教育効果がある。

大川隆法・幸福の科学総裁は、1月11日に説かれた法話「『智慧の法』講義」の質疑応答の中で、「起業家精神を持つ学生を育成するヒント」について「起業のはじめとして、教授と学生が共にイノベーションをかけて大学を作り上げていくことが、練習になる」と述べた。

大川総裁は、理系人材のあるべき姿についても、「『企業家的才能』もある人をつくっていきたい」「協賛を募れるほどのネゴシエーション力を持ち、かつ、それを現実に実現していく力を持った理系人材であっていただきたい」(『「未来産業学」とは何か』所収、大川隆法著)と、経営者としての教育の必要性を説いている。

幸福の科学は4月から、千葉県に「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)」という私塾を開学する。HSUでは、企業家精神を身に着けた人材を育成することを目指している。

近大の志願者数が昨年、日本一になるなど、企業家精神を育む教育は国民にも求められている。富を生む教育モデルは、今の日本に必要なものだ。(居)

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