ギリシャ危機2.0 総選挙後にユーロ離脱はあり得るか

 

ギリシャで、25日に総選挙(国政選挙)が行われる。同国の各種調査では、増税や緊縮財政に対する国民の不満が追い風になり、ここ数年で急激に勢力を伸ばしている急進左派連合(Syriza、スィリザ)が優勢とされ、金融市場に波紋が広がっている。

 

独紙デア・シュピーゲルは「Syriza党が勝利した場合、ギリシャのユーロ圏離脱は不可避」というドイツ政府高官の意見を報じている。だがなぜ、こうしたギリシャ離脱の話が出てくるのか。

 

ギリシャは2010年から12年の間に起きた財政危機において、他のユーロ加盟国や国際通貨基金(IMF)から、資金援助のローンを受け取ることで切り抜けてきた。このとき、ヨーロッパでもっとも政治的・経済的な影響力を持つドイツは、ギリシャをはじめとする南ヨーロッパの国々を資金援助することに難色を示していたが、ユーロ圏の崩壊を防ぐには支えるしかないと、やむなく妥協した。

 

しかし、その支援には厳しい条件が付いた。その1つが、ギリシャ政府が歳出を減らし、緊縮政策を採ることによって財政を再建することだ。

 

Syrizaの党首アレクシス・ツィプラス氏は、ギリシャがユーロ圏に留まることを望むとしている一方、経済の悪化を招いている緊縮財政をやめ、2400億ユーロ(約34兆円)もの援助資金の返済も反故にすべきと主張している。しかし、資金援助の受け取り条件の取り消しをドイツが認めるとは思えない。

 

もしギリシャが離脱すれば、金融市場に大きな混乱が生まれるだろう。だが、ドイツは、2012年のユーロ危機以来、経済の安定を図るために設立された欧州安定メカニズム(ESM)などが、ギリシャ離脱に対する充分な防波堤になると考えている。それは、ギリシャがデフォルト(債務不履行)を起こし、それが経済的な混乱として周辺国に波及しても、ESMがそれらの国々にさらなる資金援助を出すことで乗り越えられるというイメージだろう。

 

しかし、今、南ヨーロッパを襲っている経済低迷と財政危機は、ドイツに原因の一部があると言える。ドイツは、それらの国々に緊縮財政を強要するとともに、デフレに対抗するための金融緩和をかたくなに拒否し続けている。そのため、市場での資金循環が悪くなり、デフレを加速させるだけでなく、EU経済全体の低迷を招いている。

 

しかし、根本的な問題は、ヨーロッパの多くの国々が自助努力の精神を忘れ、国民が政府に面倒を見てもらい、小国が大国に依存していることだ。他者に依存するということは、意見の衝突が見られたとき、必ず弱者が強者に「服従」する結果が訪れる。今の南ヨーロッパとドイツの関係がまさにそれだ。

 

ギリシャ離脱の可能性を含んだ今回の総選挙の局面は、巷で「ギリシャ危機2.0」と呼ばれているが、場合によっては、ヨーロッパの国々が自立心を取り戻すきっかけになるかもしれない。(中) 

 

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