「未来創造学」が世界を救う Part2(Webバージョン) - 編集長コラム

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「未来創造学」が世界を救う Part2

 


contents

 

 

3.宗教文明の対立を解消できるか

 

宗教戦争と中国の膨張をどう解決するか

「未来創造学」は、国際政治学の領域についてもカバーしている。

 今、国際政治の難問は、宗教をめぐる対立や戦争と、無神論国家・中国の帝国主義的な膨張だろう。

 シリアとイラクで勢力圏を広げるイスラム過激派組織「イスラム国」は、異教徒の男性を殺し、女性は奴隷的に扱い、キリスト教国へのテロも警戒されている。

 パレスチナのガザ地区を支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルとの間では、断続的に戦闘が続き、多数の市民が犠牲になっている。もともとアラブ人が住んでいたところに戦後、ユダヤ人が入植し、イスラエルを建国。アラブ側にすれば「後から勝手に入って来て、けしからん」ということだし、イスラエル側は「国民の命を狙う者たちは許せない」という憎しみの連鎖が続いている。

 建国以来、長期戦略で軍拡を続ける中国は、習近平総書記になってからは東シナ海や南シナ海で軍事的攻勢を強め、周辺国は中国に呑み込まれる脅威を切実に感じている。

 既存の国際政治学は、これらの人類の難問にどんな答えを示しているのか。

 20世紀以降の国際政治学は、リアリズムと言われる学派が主流を占める。古くはソ連封じ込めを唱え、アメリカの冷戦外交の柱を立てたジョージ・ケナン、近年では大統領補佐官としても活躍したキッシンジャーが有名だ。

 リアリズムの国際政治学では、国際社会は基本的にサバイバルの世界であって、戦争は避けがたいものと考える。戦争を防ぐために、国同士のパワーをバランスさせなければならない。それでさまざまな分析をやるわけだが、ビリヤードの玉がぶつかるような機械論的な見方をする学者が多い。戦後欧米の標準的な教科書となった『国際政治学』を書いたモーゲンソーは特に、物理学的な現象のように「パワー」を分析する傾向が強い。

 

 

キリスト教文明とイスラム教文明の対立

写真:Basso CANNARSA/Opale/アフロ

国際政治学者ハンチントンは、対テロ戦争や中国の暴力的な台頭を予測したが、その解決策は示すことができなかった。国際政治学もカバーする「未来創造学」が示す答えとは――。

 そうしたリアリズム学派の流れの中で、サミュエル・ハンチントンは90年代、「文明の衝突が始まる。その背景には世界的な宗教の復権がある」と予測した。

 ハンチントンは、世界を七つか八つの文明で成り立っていると見た。西欧文明、ロシア正教会文明、イスラム文明、ヒンズー文明、中華文明、日本文明、ラテン・アメリカ文明、アフリカ文明がそれらで、基本的には世界的な宗教と対応している。中華は儒教、日本は日本神道を背景とした文明と位置づけている。日本がオリジナルの文明だというのは、日本人にとっても当時、意外に受け止められた。

 ハンチントンの“予言"は以下のようなものだった。

 

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