アメリカで「尊厳死を実行する」と告知していた女性が死亡したことが2日報じられた。この女性は今年1月に悪性脳腫瘍であると診断され、医師から余命6カ月と宣告された。女性は結婚したばかりの夫と尊厳死が認められているオレゴン州に移住。「ひどい痛みがあるが、これ以上の苦しみの前に尊厳死したい」と、尊厳死に反対する人々に訴えていた。女性は医師から処方された薬を自ら飲み、家族に見守られながら死亡したという。

今回は「尊厳死」という言葉が使われているが、彼女のように自分の体の自由が効く状態で投薬などにより死期を早めることは「安楽死」とされ、回復の見込みがない患者の延命治療を打ち切ることとは異なる。日本では医師の自殺幇助にあたるとして認められていないが、アメリカではオレゴン州、ワシントン州、モンタナ州、バーモント州、ニューメキシコ州で医師の診断により死期を早めることが認められており、全米に広げるべきどうかも議論の的になっている。ヨーロッパではスイスやオランダ、ベルギー、ルクセンブルクなどで既に合法だ。

「自分の思う通りに死にたい」という願いに共感する人たちもいるが、尊厳死や安楽死の是非を問うには、人間の本質は魂であるという霊的人生観を踏まえる必要があるだろう。人間はどのような人生を送るのが自分の魂を磨くために最適であるか、生まれる前に予め計画を立てており、その「問題集」の中に病気の計画を入れてくる場合があるのだ。

また、過去世の問題をカルマとして持ち越している場合、病気を経験することがカルマの解消になることもある。たとえば霊能者のエドガー・ケイシーは、病気の原因をリーディングする中で、「ポリオにかかり車椅子生活をしていた人が、古代ローマ帝国時代、大競技場でキリスト教徒が残虐に迫害されているところをせせら笑っていた」「目に障害を負った人が、過去世で兵士として敵の目を突いた」などの事例に直面している。本人は病気に苦しむが、実は「他者を傷つけた」という魂の罪悪感を解消していることになる。カルマを解消できなければ来世に持ち越しになり、もう一度苦しみを味わうことになってしまう。

このように、病気は必ずしも一方的に本人を襲い、害するものではない。人生の問題集の一つとして、必ず大きな意味がある。過去世や来世まで含めて考えれば、原因・結果の法則は貫かれている。また、人間の肉体は機械と違い、病気を治す力もある。余命宣告を受けていても、反省によって心の傾向性が180度変わったり、信仰の奇跡によって回復することがある。

今回の尊厳死についても、苦痛や家族の負担を考えると理解できなくはないが、霊的視点やカルマの法則を踏まえたならば、違う結論になっていたのではないかと考えざるをえない。(晴)

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