大川隆法総裁 御法話レポート

「真剣勝負の商売」を学ぶ「経営成功学」

「『経営成功学の原点』としての松下幸之助の発想」

2014年8月25日収録

2015年に開学を目指す幸福の科学大学(仮称・設置認可申請中)の創立者、大川隆法・幸福の科学総裁は、経営の成功を明確に目指す「経営成功学」の必要性を説いている。あえて「成功」という言葉を冠したのは、経営の難しさを楽観視しているわけでも、PRのためでもない。そこにこそ、「経営の真髄」が込められている。大川総裁は、「経営の神様」と称される松下幸之助氏の経営思想を紹介しつつ、この「経営成功学」の本質について語った。

物事は「思い」から始まる

松下幸之助は、父親が事業に失敗して小学校を中退。9歳で親元を離れ、大阪で丁稚奉公に勤めた。16歳で大阪電燈に入社し、在職中に電球ソケットを考案した。その後同社を退社し独立。松下電器産業(現パナソニック)を、事業部制や連盟店制など独自の経営論により、一代で世界的な大企業へと育て上げた。

不遇な境遇から、様々な困難を乗り越えて成功を収めた松下氏は、その経営のセオリーや哲学を講演や書籍を通じて日本に普及させた。その内容は、今も多くの経営者の糧となっている。

大川総裁はまず、松下氏の経営哲学を、「経営成功学」の原点の一つと位置づける。その上で、 「幸之助さんの経営哲学を学んでいると、『成功を目指さなくては経営ではない』という感じが強く迫ってくるのです。やはり、『ただ経営すればよいというわけではない。成功しなくてはいけない。いや、成功するまでやり抜くのだ』という強い熱意を持っていなかったら、うまくいかないでしょう」 と概説した。

「成功を目指さなければ経営ではない」という姿勢を示すエピソードとして、「松下電器五ヵ年計画」がある。この計画は、5年間で生産額を約4倍に増やすという、あまりに大風呂敷なものだったために、社会は驚き、発表時には社員からも失笑を買った。しかし、社員たちも「社会に発表してしまった以上はやらねばならぬ」と一体となって努力し、なんと4年で達成してしまった。

大川総裁は、世の中にはこの「思いから物事は始まる」という真実に合点がいく人と、安易な精神論や抽象論にしか理解できない人がいると指摘。そして、このシンプルな真理を理解した人物として、JALを再建させた稲盛和夫氏を挙げている。

稲盛氏は若いとき、松下氏の経営セミナーに参加した。その場で松下氏は、余剰資金をプールする「ダム経営」の重要性を訴えたが、会場から「どうしたらダム経営ができるのですか?」という質問が出た。その時、松下氏は「『こうしたらできる』とは言えないけど、とにかく、『ダム経営をしよう』と思わなかったらできません」という主旨の答えをした。

ほとんどの参加者は、それを聞いてドッと笑った。しかし稲盛氏は笑わず、その言葉を真摯に捉えた。

「売り上げを最大化し、経費を最小化すれば、利益が最大になる」という稲盛氏の経営思想には、一定の疑問があるものの、その後、京セラの経営で、約一千億円の余剰資金を生み、それを使って第二電電(現・KDDI)をつくった。思うことからスタートして、ダム経営を実践したのだ。

松下氏は無借金経営にも言及しているが、大川総裁は、幸福の科学においてダム経営と無借金経営を実現させている。事業を行うには、最初に借入をして、3年くらいで黒字化させていくといったスタイルが多い。

しかし大川総裁は、最初の講演会で、紐で閉じた自前の小冊子を販売してつくった資金を元手に、徐々に拡大して現在に至る。幸福の科学の無借金経営も、「思い」があったから可能だったと、大川総裁は振り返った。

真剣勝負の中で磨かれた「経営成功学」

大川総裁はさらに、 「『商売は真剣勝負』という言葉を言い換えたのが、『経営成功学』という言葉」 とも述べる。

剣術でも、道場で竹刀を合わせるのであれば、何回負けても構わない。しかし、真剣での勝負になったら、必ず、命懸けになる。一太刀を浴びれば、それで終わりだ。経営者も、そういう心構えが必要とされる――。

言葉で聞けばわかるが、その必要性を本当に腑に落とし、実践するのは難しい。大川総裁も、「失敗したら、もう後はない」という覚悟で毎回の法話に望んでいるという。その積み重ねによって、現在までの幸福の科学の発展もあった。

大川総裁はさらに、こうした真剣勝負の中で生まれた松下幸之助の経営のポイントを、幸福の科学の経営経験と重ねながら述べる。

例えば、事業成功における「リピーター獲得」の大切さ。

経営者が会社全体にその考え方を浸透させるために、「同じことを繰り返し言う」ことの価値。

不可能に見える課題に対峙したときの心構え。

松下氏が経営のコツとして答えた「雨が降ったら傘をさす」という言葉の意味。

「公と私」に対する考え方などについて、分かりやすく解説した。

経営には、独特の勘や人情の機微を知る心、汗を流してのち知恵を得る悟りが含まれる。真剣勝負の中で磨いた経営力は、いかなる精密な理論にも勝る。

大川総裁が、「経営成功学」にあえて「成功」とつけたのも、経営の厳しさを前にして必要なのは、精密な経営分析手法や難解な概念よりも、「成功しなければならない」という覚悟だということを、経営の要諦と考えているからだ。

経営成功学は「国家成長戦略」でもある

大川総裁は国家経営についても言及した。低迷する日本経済にあって、政府が補助金をまいたり、何かを主導したりする「大きな政府」型のやり方が取られることが多い。しかし、 「国力を落とさないためには、やはり、個人個人が自立して戦わなければいけないのです。そういう『自助努力の精神』『自助論』を忘れてはいけない」 と釘をさした。

「経営成功学」という言葉に込められた、「思い」の大切さを国民が腑に落とし、真剣勝負の中で磨かれた経営のコツを学べることは、国家の成長戦略にもつながるものと言える。

本法話では他にも、以下のような点について触れられている。

  • 病弱で体が弱いところから生まれた「事業部制」。
  • 一倉定、ドラッカーの経営理論を規模相応に生かすには。
  • 交渉に必要な「説得の技術」。
  • ダム経営の重要性と、人材・アイデア・企画への応用。
  • 国家の発展をもたらす"プロジェクトX"の大切さ
  • 無税国家論の可能性。
  • 事業の裾野を広げる方法。
  • 西武グループやダイエー、そごうと、松下電器の明暗を分けた分岐点。

ここに紹介したのは法話のごく一部です。詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。

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