中国の習近平・国家主席が台湾の統一推進派の前で26日、演説した。中台統一に関して、中国は「毅然として、確固とした態度を取る」とし、中台間のわだかまりを解消するには、香港の様に一国二制度をとるべきだと述べた。

香港は、1997年に中国に返還される際、一国二制度をとるとして、50年間の自治を約束された。香港特別行政区基本法(香港の憲法にあたる)の第一章・第五条には、香港において中国本土の様な社会主義制度は適用されないと明記されている。

ところが今年の8月31日に中国が発表した内容は、2017年の香港行政長官選挙では、中国側が認めた候補者しか立候補できないというものだった。現在、それに抗議する香港の民主主義活動家のデモが連日行われている。

このような状況の中、習氏が中台統一のモデルとして香港を引き合いに出したことに、台湾の一般市民は驚きを感じているという。台湾の30以上の市民団体が、香港の民主主義を守るための集会を10月1日に予定している。台湾中央研究院研究者の呉介民氏は、「香港が今経験している選挙問題を見ると、中国が一国二制度モデルを本当に尊重するとは思えません。北京(政府)はこのことに関して信頼性を欠いています」と話している(9月26日付ウォールストリートジャーナル紙)。

また、習氏の演説を受けて、親中派と言われる台湾の馬英九総統も、香港のモデルを台湾に当てはめることに対して、「容認できない」と発言している。この発言に付け加えるように、台湾総統府の馬イ国(イは王へんに葦)報道官は、一国二制度モデルは、中台問題の答えにはならず、「台湾は民主国家であり、自立した国家経営を行っている。我々は自分達の総統や議員を選ぶ」とした(同紙)。

実は、大川隆法・幸福の科学総裁は2012年、馬総統の守護霊の霊言を収録し、その本心を調べていた(関連書籍参照)。馬氏守護霊は、中国とアメリカの力関係に挟まれ、「私は、その中間で、うまいこと舵取りして、任期いっぱい、台湾を平和にする。任期の間だけはね」と、日和見的な態度を取っていた。ただ一方で、日本に対して、台湾を国として認めることができるほどの強さを持って欲しいとも訴えていた。

台湾の中国化は、日本にとっても他人事ではない。中国の軍事拡張が続く中、台湾が中国に飲み込まれるようなことがあれば、日本にとって重要なシーレーンが押さえられてしまう。やはり、最も望ましいのは、台湾や香港の民主主義精神が中国へと波及する「中国の台湾化、香港化」であり、それを後押しできるだけの強さと、毅然とした外交が、今、日本にも求められている。(中)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『台湾と沖縄に未来はあるか? 守護霊インタヴュー 馬英九台湾総統 vs. 仲井眞弘多沖縄県知事』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=731

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