2014年11月号記事

男も女もよく分からない──

これってセクハラ?

職場を明るくするレベル別解消法

政府はこのほど、女性が指導的地位に占める割合を2020年までに30%に増やす目標を掲げた。社会で活躍する女性が増えるのは喜ばしいが、その一方で、職場でのセクハラは男女ともに悩みの種だろう。基準も定義もよく分からない「セクハラ問題」は、どう解消すべきだろうか。

(編集部 河本晴恵)

日本の女性が着物を着てたたずむ写真付きのカレンダー──。

外資系企業で勤務していた50代の女性は、「これをアメリカの職場でプレゼントしたらセクハラになる」と指摘する。女性を「鑑賞の対象」と見なしているからだという。多くの日本人にとっては理解し難いだろう。

6月23日、塩村文香都議(左)へのセクハラやじを謝罪する鈴木章浩議員。国内外のメディアで過剰な報道が行われた。写真:読売新聞/アフロ

だが日本でも、セクハラに対する見方は厳しくなっている。6月の東京都議会の「セクハラやじ」問題は海外メディアにも大きく取り上げられ、7月には静岡地検の検事正が酒席で女性の身体を触ったとして、事実上更迭された。

このように、現在は「言葉で女性が傷ついた」というようなものから身体的な接触に及ぶものまで、幅広く「セクハラ」と呼ばれている。職場の何気ない言葉まで「セクハラ」と言われ、戸惑う男性は多いだろう。しかも同じ言葉でも「セクハラ」と言われる場合と、言われない場合があり、線引きが難しい。

一方で、職場で傷ついている女性がいるのも事実だ。社会で活躍したい女性は、いったいどうすればセクハラで苦しまずに済むのか。

経営コンサルタントの2人に話を聞いて「セクハラ」を分類し、レベル別の対処法を紹介する。

これってセクハラ?

対応策は、4ページ(本誌68ページ)からの(1)~(3)へ


●男性上司が女性部下に対し「最近色気が出てきたね。結婚したら?」と言った。

(1)


●純粋に好意がある女性にプレゼントと手紙を贈ったところ、「セクハラだ」と訴えられ、左遷された。

(2)


●上司が、個性的な新入社員の女性に対し、「どんな音楽を聞いているの?」「赤ブチのメガネは、赤が好きだから?」などと聞いた。彼女は上司に面と向かって、「私、こういうタイプ嫌い」と言い放った。

(1)


●女性部下がつらそうにしていたので、男性上司が「体調は大丈夫?」と声をかけたところ、女性は同僚に対し「セクハラ」だと言っていた。

(1)


●女性社員が社長に宴会の席で抱きつかれ、頬にキスされそうになった。社長は女性に対し「旅行に行こう」などと繰り返し誘ったが、拒否すると解雇をちらつかせるため、女性は最終的に転職した。

(3)