2014年11月号記事

著者インタビュー

「知の地殻変動」を起こす幸福の科学教学の知見

「幸福学」「人間学」の研究に正面から取り組む『知的幸福整理学』など、計3冊の著書を上梓する黒川白雲氏。来春、千葉県に開学予定の幸福の科学大学(仮称・設置認可申請中)の「人間幸福学部」学部長に就任する予定だ。著書につづられた新時代の学問観について聞いた。

『知的幸福整理学』『比較幸福学の基本論点』
『人間とは何か』著者

幸福の科学学園理事

黒川 白雲

(くろかわ・はくうん)1966年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京都庁勤務を経て、宗教法人幸福の科学に入局。人事局長、指導研修局長、常務理事などを歴任して2013年9月より現職。2014年、東洋大学大学院経済学研究科卒業。

―― 『知的幸福整理学』は、「幸福とは何か」という問いに真正面から答えていますね。

黒川 : 実は「幸福学」や「幸福度」というものの研究が1990年代後半から欧米の大学で盛んになっています。しかし、それらは人々への聞き取り調査や統計的分析が中心で、肝心の「幸福とは何か」には迫れていません。

それに対して、大川隆法総裁の説かれる幸福の科学教学を基にした「幸福学」は幸福の定義を明らかにしています。例えば、本書では大川総裁の「霊的人生観を持つ幸福」「愛を与えて生きる幸福」「後世への最大遺物を遺す幸福」という真実の「幸福」の3段階説を紹介しています。

―― そうした幸福が、金銭的・物質的な幸福を上回ると考えるのは、なぜですか?

黒川: 各種の調査や研究では、国でも個人でも、一定レベルの豊かさを超えると、単純に「お金を持っていれば幸福」とは言えなくなることが分かっています。
人間はお金が貯まったらそれに慣れてしまいますし、むしろ失うことを恐れるようになります。自分よりお金持ちの人に会ったら、不幸に感じるかもしれません。
このようにお金やモノに左右されるものが「相対的幸福」であるとすれば、先ほどの3つの幸福は、他人との比較や外部環境に左右されない精神的な幸福であり、「絶対的幸福」と呼ぶべきものです。これはどんな立場の人でも探究でき、どこまでも深めていけるのです。

―― 同書では、情報などの整理をすることが幸福につながると主張されています。

黒川: それは整理することが創造力を生み、その創造力が幸福につながるからです。
情報も雑多なままではゴミの山ですが、それを整理・分類してアベイラブル(使える状態)にしておけば、何らかの生産物を新たに生み出せます。整理することで情報が生きた「知識」に変わり、創造性の源泉になるのです。幸福の科学大学も「創造的精神で未来に貢献する人材」の育成を目指していますので、学生の皆さんにはこうした能力をぜひ身につけていただきたいですね。