インドのモディ首相と安倍晋三首相は、9月1日に首脳会談を行う。これに合わせ、米誌「ディプロマット」(電子版)はこのほど、「日本文化の影響力がインドで高まる」と題し、日印両国の関係がさらに前進すると伝えた。

記事の中で、米ピュー研究所が先月実施した世論調査を引用。回答した日本人の63%が「インドに好感を持っている」と答えたことに加え、インドでは43%が「日本に好感を持っている」と答えるなど、日印の世論はお互い好印象を抱いているとした。

また、インドは仏教文化などを東アジアに広めたが、他国の文化を受け入れることがほとんどなかったという歴史を指摘。そうした中、J-popや漫画などの日本文化が、インドの若者に受け入れられるほど、インドでは日本文化が浸透していると紹介している。

さらに、こうした背景の一つには、インドのインテリ層が、19世紀から近代化を果たした日本を尊敬しており、多くの人々が(成功の)お手本にしているからだと分析。その例として、ノーベル文学賞を受賞したインドのタゴールが、日本のインテリと交流を持っていたことを挙げている。

モディ首相は、経済を立て直すため、先進国への外遊先として最初の国に日本を選んだ。これは、経済発展を目指すマレーシアが日本を模範とした「ルックイースト政策」のインド版と言える。

さらに、インドも中国との領土問題を抱えており、日印両国は中国軍の近代化に脅威を感じている。ピュー研究所の調査でも、領有権問題に関して、85%の日本人が「懸念がある」と答え、インドでも72%が懸念を示している。中国の覇権主義を念頭に置けば、政治や安全保障レベルでも、日印両国は国益をともにできるパートナーになりうる。

発展著しいインドの首相が日本に訪れることは、アジアの大国としての日本を印象付ける重要な出来事になる。日本は、原発や新幹線などインドのインフラ整備を含めた「おもてなし」で、インドの期待に応えるべきだ。(山本慧)

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