2014年10月号記事

The Liberty Opinion 3

笹井氏が自殺

STAP論文の研究不正の証拠はない

「研究不正」を認定した理研の調査報告に対し、4月に反論の会見を行った時の小保方氏。写真:EPA=時事

理化学研究所(理研)再生科学総合研究センターの副センター長だった笹井芳樹氏が8月自殺し、STAP細胞の論文問題は、最悪の展開を迎えている。

笹井氏が自殺する5日前に放送されたNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」では、小保方晴子氏が故意にES細胞を混入させてデータを捏造したかのような演出がされ、「不正」という言葉が連呼された。

同論文は5月、理研が小保方氏の不服申立てを退けたことで、不正と認定されている。 しかし、画像取り違えや切り貼り手順のミスを不正と認定した理研の調査報告書では、「間違えるはずがない」「知っていたはず」など主観的な理由を根拠にしている。

その後、他の幹細胞の混入など様々な疑惑が持ち上がったが、どの説も二転三転。再現性がないとの批判もあるが、実験手法が確立していないのだから当たり前だ。 いまだにSTAP細胞の研究に不正があったという決定的な証拠はない。