米中央情報局(CIA)が公式ツイッターで、「1950年代の不思議な未確認飛行物体(UFO)現象はU2偵察機でした」と発言した。U2偵察機とは、約2万メートルという当時の戦闘機が届かない高高度から、相手国の様子を観察するためのもので、55年からCIAが運用していた。

UFOは、「宇宙人の乗り物」という意味ではなく、空中を飛ぶ正体不明の物体のことだ。47年のケネス・アーノルド事件から注目が集まり、米空軍などが調査を開始。しかし、UFOの多くは星や蜃気楼、凧など、既存のものの見間違いで説明ができると結論付けられており、コロラド大学の協力を得てまとめられた69年のコンドン報告書を最後に、UFOについて「科学調査は必要ない」とされている。

ただ、この報告書には未解明の事例が30件ほどあり、また、説明できたという事例にも強引な説明が目立つため、かえって「政府は何かを隠している」と人々に感じさせる結果となった。また、UFOについては、今でも未解明の事例が残っている。

U2偵察機がUFOの正体として説明されることは、今回が初めてではない。このタイミングでCIAがつぶやいた理由は、未解明の事例についても「機密情報で言えなかっただけ」と主張したいということだろうか。

このコメントについて、『UFO調査マニュアル』などの著作を持つイギリスのUFO研究家ナイジェル・ワトソン氏は、CIAの説明に疑義を感じているとして、次のように「デイリーメール」紙の取材に対して語った。

「ノルウェーやデンマークで数多くのUFO目撃情報が寄せられるきっかけとなったNATO軍のメインブレース演習が行われたのは1952年で、U2偵察機が飛行を始める前だ」

つまり、U2偵察機だけでは、すべてのUFO目撃情報について説明できないということだ。

こんな事例もある。米空軍のUFO調査に当初協力していたハイネック博士は、下院議員と科学者による「米下院UFOシンポジウム」で、次の事例を発表した。

48年に米アラバマ州で起きた、パイロット2人がUFOを目撃した事例について、天文学者のメンゼル博士が、著書で、根拠なく「蜃気楼」と結論した。次の著書では「流星」と変わっており、さらには「水瓶座流星群の流星雨」と説明が二転三転。すると、米空軍の公式文書もそれに従い、「識別不能」から「流星」に変わったという。ただ、UFOを目撃した方角と水瓶座流星群の方角は離れすぎており、また、UFOは雲の下で目撃されたため、ハイネック博士は、この結論に納得していない。

すぐにその正体が分かってしまうものについて、「宇宙人の乗り物か」と大騒ぎするのも考えものだが、政府の説明をそのまま信じ込むのも早合点かもしれない。(居)

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