7月22日付の新聞各紙から拾い読みしてコメントする。

岸田外相、ベトナムなど訪問する意向 中国への対抗を支援(読売)

岸田文雄外相は、7月末から8月上旬にかけ、ベトナム、インドネシア両国をそれぞれ訪問する意向を固めた。パラセル(西沙)諸島の領有権をめぐり中国と対立するベトナムには、海洋監視能力の強化を支援すべく、巡視艇に搭載する無線やレーダー、小型ボートなどの供与を伝える方針だ。

⇒日本が「アジアの警察官」になる方向に、徐々に進んでいる。しかし、ベトナムは軍事力ランキングで23位(Global Firepower2014)。同ランキング3位の中国に対抗する力はとてもない。この力の差を考えれば、「巡視艇供与」では不十分だろう。今後、護衛艦、潜水艦などの輸出も検討すべきだ。安倍政権が4月に武器輸出制限を緩め、それは可能になっている。また、こうした装備と同時に、それらを使う訓練などでも、貢献できる。

日本が、ブラジルなどと共に常任理事国入り目指し「安保理改革案」提出へ(毎日)

安倍晋三首相が、8月に行われるルセフ・ブラジル大統領との首脳会談で、「国連安保理改革案」の提出に向け、連携する方針を表明することが分かった。改革案は、「常任理事国」を5カ国から、11カ国に拡大するというもの。2015年秋の国連総会で、同提案の実現を図る。

⇒日本とブラジルは、ドイツ、インドと共に常任理事国入りを狙う「4カ国グループ」(G4)と言われる。実は、G4国は2005年に、同様の案を提出したが、現状維持勢力の反対運動などで、廃案となった。しかし、世界第3位の経済大国であり、国連に多大な経済的貢献をしてきた日本や、EU最大の経済力を持つドイツが、常任理事国でないのはおかしい。「先の大戦での戦勝国が正義」という誤った国際的認識が、両国の常任理事国入りを阻んでいる。国連改革は、戦後の歴史認識の見直しそのものでもある。

実質成長率1.2% 増税の消費減が想定より大きく(日経など)

政府は22日、経済財政諮問会を開き、2014年度の実質国内総生産(GDP)成長率が1.2%になるとの見通しをまとめた。これは、昨年末時点の予想から0.2ポイント下方修正したもの。

⇒下方修正の要因は、消費増税に伴う駆け込み需要と反動減が想定より大きかったこと。民間の予想はさらに厳しい。日本経済研究センターが10日、民間エコノミスト42人の景気予測をまとめたところ、2014年度の実質GDP成長率は、0.85%というのが平均だった。「増税後の消費減は想定内」との見方もあるが、そうは見えない。

テレビに外国語の字幕、五輪までに実現(読売)

総務省は、東京五輪が開かれる2020年までに、テレビのニュース番組やバラエティー番組に、英語など外国語字幕が表示されるよう取り組む方針だ。増加する訪日外国人が、より快適に過ごせる環境を整備する。自動翻訳システムで変換する。

⇒世界から人材や企業が集まって来るためには、「英語で生活できる」ようにするインフラの整備が必須だ。標識の英語表記が分かりにくいなどの問題が指摘されるが、こうした問題も国際都市化のために解決していきたい。また、テレビの放送内容も、世界中の人たちが見て恥ずかしくないような、公平性と質が求められるようになりそうだ。(光)

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2014年7月20日付本欄 ベトナム元政府高官が驚きのコメント「中国は敵であり、アメリカと同盟を結ぶべき」

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8152

2014年8月号記事 日本はアジアの警察官たれ 東南アジアは「盟主」を求めている

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8033

2013年6月6日付本欄 【そもそも解説】国連の「敵国条項」って何?

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6135

2014年7月10日付本欄 「第1の矢」折れた? 個人の付加価値が繁栄の原点

http://the-liberty.com/article.php?item_id=8118

2014年2月27日付本欄 舛添都知事「全東京都民が英語を」 国際化で発展のチャンスをつかもう

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7459