宇宙からは、可視光線や紫外線、高エネルギー線など、さまざまな電波が地上に降り注いでいる。天文台などで、これまで観測されたことのない電波が発見されると、「宇宙人からの通信では?」という意見が出るが、最近もその疑惑が持ち上がっているとネット上で話題になっている。

1930年代から、電波を発信している天体の存在が知られるようになり、1967年には、イギリスの天文学者が太陽系の外から飛んできた"怪電波"を観測した。非常に正確な周期で発信されているこの電波は、その後の研究で、パルサーと呼ばれる高速で回転する天体から出た電波と考えられている。

最近では2007年にも、1000分の5秒しか観測されない、不思議な電波「高速電波バースト」が観測された。当初、オーストラリアのパークス電波望遠鏡でしか観測できなかったことから、機械の故障が疑われた。しかし今年4月、巨大なパラボラアンテナを持つプエルトリコのアレシボ天文台も観測に成功し、改めてその存在が確認された。

この電波は何百万光年以上遠くから飛んできていると考えられているが、その原因は解明されておらず、白色矮星が融合する時に出ているという説や、中性子星が衝突しているというもの、宇宙人のメッセージという説もある。

今回の高速電波バーストのように、科学の歴史においては、観測技術が高まるたびに新たな発見があり、それまでの常識が揺らぐことが繰り返されてきた。古い話ではあるが、ガリレオが地動説を発見できたのも、彼が天体望遠鏡を入手したからだった。

日本では、宇宙を論じる際、その特殊な環境での研究や、資源の活用に関心が向きがちで、宇宙人の存在については際物扱いされる傾向が強い。最近のテレビ番組にも、宇宙人の存在を安易に否定するものがある。だが海外では、宇宙人に遭遇した場合などについて真剣に議論しており、今回の高速電波バーストを確認したアレシボ天文台も、地球外知的生命体の探査計画に使われている。

宇宙には数百億、数千億ともわからないほど多くの銀河の中に無数の星があり、「ケプラー186f」などのように、恒星との距離や重さが地球に近い星も発見されてきた。知的生命体は地球にしか存在しないと考えるほうが、かなり無理のある話ではないだろうか。また、地球とは違った環境の星であっても、知的生命体が存在できないとは誰も証明していない。

科学はまだ万能には至っていないことを認め、未知の真実に誠実に向き合うことが、本来の意味の科学のはずだ。(居)

【関連記事】

Web限定記事 超常現象はすべて科学で解明できる? NHKの番組制作姿勢にファウル判定!

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7788

2014年4月18日付本欄 NASAが地球に似た惑星を発見 科学技術のさらなる発展で宇宙のフロンティアを開拓せよ

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7696

2013年7月26日付本欄 地球外知的生命体の探査に、英王立天文学会が乗り出した!

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6399