ビルマ軍政のタン・シュエ議長が訪中。温家宝首相と会談(2010/9/9)

2010年12月号記事

寄稿 オピニオン

ビルマ総選挙から見えてくる覇権国家・中国の野望

Aye Chan エイ・チャン 神田外語大学教授

原文(英語)はこちら。本稿は日本語版のために情報を追加し、再編集したものです。

軍政トップの訪中

11月7日、ビルマで20年ぶりに総選挙が実施される。

2カ月前の9月上旬、ビルマ軍政のトップ、タン・シュエ国家平和発展評議会(USPD)議長は5日間に及ぶ中国公式訪問を果たした。
ビルマ情勢を追う専門家の目には、この訪問が選挙後に発足する“軍に支配される政府”への支持取り付けに映った。

人権抑圧や政治的迫害で国際社会から批判され続けるタン・シュエ議長は、北京で会談した温家宝首相に対し、中国政府の過去数十年にわたるビルマへの経済援助と支持に感謝の意を表明した。

他方、中国側は11月の総選挙に関して「民主化へ向けた進展のひとつ」と評価、さらに42億ドルの無償資金援助の実施を決めた。
中国は、総選挙後に誕生する新政権への強い支持を表明した最初の国となった。