米軍発行の機関紙である星条旗新聞がこのほど、米海軍は今年中に、艦艇上でレーザー砲の試験予定があると説明した上で、こうした兵器によってSF映画「スター・ウォーズ」の世界が訪れるかもしれないと、報じた。

レーザー砲は、米海軍が核ミサイルや毒ガスなどの大量破壊兵器を無力化するために使うことが想定されているが、無人機や高速艇などすべての潜在的な脅威を対象にしている。米軍関係者であるマイク・ジヴ氏は、このような兵器は「われわれの戦い方を、根本的に変える」と語っている。

レーザー砲は、すでにいくつかの国で研究開発が進み、ミサイル防衛などの役割を担うと言われる。各国が研究に取り組む背景には、高速化が進むミサイル技術の向上に対して、ピンポイントに迎撃する現在のシステムでは、対処が容易でない点が挙げられる。また、ステルス機の登場によって、早期発見が困難になりつつあり、迎撃体制を整える時間が限られてきてしまうためだ。

このような課題を解決するのが、レーザー砲である。電磁波エネルギーなどを射出してミサイルを破壊するレーザー砲であれば、目標物に対して、瞬時に照射できる上に、迎撃の際に必要とされる弾道の計算が不要となる。さらに、日本が実戦配備している迎撃ミサイル「SM-3」であれば、1発が20億円ほどかかる一方、米軍の30kw級レーザー砲であれば、1回の照射当たり数ドルで済むと言われる。

しかし、課題もある。レーザー砲は、曇りや砂ぼこりなどの天候不順であれば威力が低減することに加え、照射する際の電力をどう確保するかが研究課題だ。

レーザー砲に関して、米海軍はすでに実戦配備の計画を進め、当面の間は迎撃システムの補助的な役割を担うと見られる。一方、日本は、防衛省の機関でレーザー技術の研究を行っているが、配備する計画までには至っていない。

だが、レーザー砲は、ミサイル攻撃を無力化する可能性を秘めており、日本の防衛力を著しく高めるだろう。 星条旗新聞は、近未来兵器の登場を「スター・ウォーズ」に例えるが、日本人が思い浮べるのは「宇宙戦艦ヤマト」の世界だろう。

日本が本当に平和を愛するのであれば、こうした既存の兵器を無力化させる近未来兵器の開発を進めるべきだろう。そして、将来的には「宇宙戦艦ヤマト」を建造し、地球の内外で起こる脅威から世界を守るという壮大な計画があってもいいのではないか。(慧)

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