幸福の科学の中心的な教えに「愛・知・反省・発展」の四正道がある。そのうち、「愛」については特に重要視されている教えだ。ここで説かれる「愛」とは、人から奪うものではなく、他の人に「与える」ものであり、与えることによって自他の幸福を広げていこうという教えである。

与える愛にはレベルがさまざまにあり、高度な知識や指導力で他の人を導くリーダーの愛もあれば、許しを与えることで相手に改心を促すものなど、宗教的境地に至った人が発揮できるものもあれば、身近な人に親切にするという基礎レベルの愛もある。

伝統的な宗教においては、異性との恋愛関係は「執着」として否定的に扱われることが多かった。仏陀は妻子を捨てて出家したし、イエス・キリストにも妻がいたが、聖書の中では消されている。

巷間でも、小説など個人的体験を吐露する書籍は多いものの、ケーススタディに留まっている。「恋愛学」とみなせるものは、インドの古典『カーマ・スートラ』くらいだろうか。

だが、幸福の科学では、恋愛や家族愛も、身近な人に愛を与えることができるか、それとも相手の愛を奪うだけになるのか、「与える愛」の入り口として必要な教材であり、そこに必要な学びがあると肯定的に捉えている。

大川隆法・幸福の科学総裁はこのたび、「恋愛学」を説き、一冊の書籍にまとめた。それが『恋愛学・恋愛失敗学入門』(大川隆法著)であり、12日より全国の書店で発売される。

同書は、「『恋愛よりも勉強』『恋愛よりも仕事』じゃダメ?」「ダメ男と別れられない」などの切実で生々しい悩みに答えた、質疑応答形式での講義をまとめたもの。大川総裁自身の大学時代の実体験についても言及されている。

昨年末に成立した、非嫡出子と嫡出子の遺産相続分を同じにする改正民法にも触れつつ、家庭のあり方について社会の考え方が変化していることを指摘。保守層は、非嫡出子と嫡出子の相続分を同じにすると、家庭が崩壊すると主張するが、こうした問題においては、時代の変化に伴って確たる「正しさ」があるわけではないとした上で、「家族制度が完全に崩壊し、社会を混乱させるようなものは望ましくないが、社会の合意がとれ、責任が取れる範囲で責任を負う」という考え方が示された。

恋愛問題においても伝統仏教にあるような厳しい戒律で縛れば問題は起きにくいが、その反面、自由が奪われ、責任を取るという考えもなくなってしまう。このあたりは、バランスが大事であるようだ。

古い宗教観にとらわれている人にとっては、章立てを眺めるだけで「これが宗教の教えか」という衝撃が走るかもしれない。先進宗教の説く「恋愛学」の寛容さと救済力に目が開かされることだろう。

【関連書籍】

幸福の科学出版 『恋愛学・恋愛失敗学入門』 大川隆法著

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同書アマゾンページ

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2013年11月5日付本欄 人間の幸福を探究する新たな学問 「人間幸福学」の理念とは?

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