脱原発の欧州各国はすでに限界 再生可能エネルギー依存の結末は「電気料金アップ」

ドイツのメルケル首相が、再生可能エネルギーの新設設備に対する優遇措置を縮小する方向に見直す方針を明らかにしたことを、30日付日経(電子版)が報じた。

 

ドイツ政府は、2050年までに電力の8割を再生可能エネルギーで供給する体制を整えることを目標に、これまで設備の新設を後押しする優遇措置をとってきた。だが、今回の見直しの背景には、この措置によって、導入コストが電気料金に転嫁され、2000年当時の平均的な家庭の電気料金が2倍以上に高騰したことがあると見られている。

 

日本でも「脱原発」を唱える人々は多いが、再生可能エネルギーをめぐる問題は絶えない。ドイツ以外のヨーロッパの国々でも多発している。

 

たとえば、スペインは、風力を中心とした再生可能エネルギーで総発電電力量の3割をまかなっている。同国政府は1994年、電力会社に対して、再生可能エネルギーの電力を高い固定価格で買い取らせることを決める一方で、電気料金に価格を転嫁させない方針を決めた。

 

しかし、増加する買い取りは、電力会社の負担増大を招き、政府は買い取り価格の引き下げや設備の設置制限をするなどして政策を修正。しかし、巨額の負担が問題となり、結局、2012年に買い取り制度を停止した。ちなみに、13年5月時点で、同国の電力会社は3.4兆円ほどの赤字となっている。

 

他にも、イタリアは2005年、太陽光発電導入の補助金給付と、買い取り制度を設けることを決めた。だが、太陽光発電の導入コストを、電気料金への上乗せでまかなった結果、平均的な家庭の電気料金が約20%の値上げとなった。同国政府は、増加する補助金を抑制するため、買い取り制度の上限を設けたが、昨年7月にその上限を超えてしまい、結局、買い取り制度そのものを廃止した。

 

こうして見ると、再生可能エネルギーを中心に据えた国々のエネルギー政策は、すでに崩壊しつつあることが分かる。3カ国に共通するのは、優遇措置を講じ、再生可能エネルギーを導入する。それに伴う買い取り価格の増大により、電気料金が高騰し、優遇措置を縮小させるが、最後に残るのは「電気利用者の負担増」という構図だ。

 

東京都知事選では、脱原発が話題になっているが、先発の“脱原発諸国"の失敗例を直視するべきだ。そもそも地方自治体の政策に、全国民に関わるエネルギー政策を持ち込むべきでないし、一昨年の衆議院選では、原発容認派の自民党と維新の会が勝利し、原発の是非に国民は審判を下したと言える。

 

脱原発の将来は国民の負担増でしかない。安倍首相は、都知事選の結果に関係なく、原発を推進すべきだ。(慧)

 

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