安倍晋三首相の靖国神社参拝に中国や韓国はいつものようにかみついているが、台湾・高雄の道教霊廟「紅毛港保安堂」には、日本海軍の「軍艦」が堂々と祀られている。この「保安堂」の新堂がこのほど完成し、仮堂に移されていた日本海軍の「軍艦」などが遷座される落慶祭が行われたと、10日付産経新聞が報じた。

この保安堂は、終戦直後に漁網にかかった頭蓋骨を漁師が地元の廟で慰霊したことがはじまりだ。その後、頭蓋骨の「本人」が漁師の夢枕に現れて「日本海軍38号哨戒艇の艦長」と名乗り、「部下を日本に連れて帰れなかったのが残念」と語ったという。そこで漁師たちが90年代に「日本の軍艦」の模型を作り、「38にっぽんぐんかん」として奉納し、これまで定期的に供養を続けてきた。

今回遷座を行ったのは、再開発の影響で港に面した旧堂の移転が必要になったためで、現地の人々がつくる堂管理委員会は、3500万台湾元、日本円で約1億2200万円を投じて新堂を建設した。地元の漁民など保安堂の関係者は、何度も来日して靖国神社を参拝し、艦長が果たせなかった願いを届けてきた。

元日本軍の戦没者を手厚く慰霊する台湾の人々と対照的に、中国や韓国は安倍首相の靖国神社への参拝に対して執拗な批判を繰り広げている。アフリカ訪問中の中国の王毅(ワン・イー)外相は中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラに出演し、首相の靖国参拝は「中国人民ばかりか、国際社会も受け入れられない」と批判している。しかし、戦没者の慰霊は宗教行為であり、台湾の例から分かるように、国家を越えて尊重されるべきものだ。

幸福の科学の霊査によれば、先の大戦で亡くなったものの、いまだこの世をさまよっている日本兵の霊も数多い。南方戦線で命を落とした人も含め、夏になるとそうした霊が靖国神社に集まって来るのだという。祖国を守るために命を懸けた戦没者に感謝を捧げ、天上界に還れるよう祈ることは当たり前のことだ。しかし、戦後日本は「先の大戦で侵略行為をした」という自虐史観にとらわれて中韓の内政干渉に屈し、慰霊の場である靖国神社は政争の具にされてしまっている。

日本が先の大戦で戦った結果、アジア・アフリカの多くの国が欧米の植民地支配から抜け出し、独立できた。日本人が中韓のいわれなき非難に屈することなく、自国の歴史に対する自信を取り戻すことで、さまよう英霊たちにも慰霊の思いを届けることができるだろう。(晴)

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