2014年2月号記事

The Liberty Opinion 4

性同一性障害や医療技術の進歩に宗教的真理の普及を急げ

女性から性別変更して結婚した男性と、第三者の精子による体外受精で妻が産んだ子供との間に、初めて父子関係を認める最高裁判決が出た。

社会の変化と医療技術の進歩で家族の問題が複雑化している。

法整備は幸福をもたらすか

現行の民法は、両親との血縁を想定し、「婚姻中に妊娠した子は夫の子」と「推定」することで父子関係を決める。母子関係については法律の規定がないが、出産した女性を母とするとの判例がある。

ただ、第三者から精子を譲り受ける体外受精や代理母出産では、生物学上の親子関係と、養育上の親子関係が生じ、どちらを重視するかが問題となる。

前者の場合、精子提供を受けて生まれた子供かどうかは出生届では分からないため、「婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する」との規定に基づいて、体外受精を承諾した夫が父となる。

今回のケースは夫が性別変更をしているため、「血縁関係があるはずはない」として父と認められず、裁判で争われた。

「性別の変更や結婚を認めたのに、子供を持つことを認めないのはおかしい」「子供の法的地位を確立するためにも民法を改正すべきだ」という声もある。

一方、「子供は生物学上の親と育ての親の間で苦悩する」という批判もある。これは、いくら法整備をしても残る問題だ。