2013年12月号記事

The Liberty Opinion 1

反オバマケアの共和党に一定の正しさ

対立が続いていたアメリカ議会は、政府債務が法定の上限に達する直前で与野党が折り合い、債務不履行(デフォルト)の危機を回避した(注)。共和党は、来年1月に本格スタートするオバマ政権の医療保険制度(通称「オバマケア」)の延期を求めていたが、制度を微修正するだけの妥協に追い込まれた。

保守派の草の根運動「ティー・パーティー」の後押しを受けて、オバマケアに反対の声を上げた共和党は、大きなダメージを受けたと言える。ドルの信用を担保する米国債のデフォルト間近の事態に、「共和党は世界経済を人質に取るのか」という批判さえ浴びた。ギャラップの調査によれば、共和党の好感度は1992年の調査開始から最も低い28%になったという。

(注)債務不履行が起きると、市場の混乱や、安全資産とされていた米国債の格付けが引き下げられるなど世界経済に甚大な影響が及ぶと懸念されていた。

福祉国家を目指すオバマの“独裁"

しかし共和党の行動には、民主主義や「自由」という建国の精神を守るための一定の正しさがあったと言える。