マケイン米上院議員が来日し、21日に安倍晋三首相、小野寺五典防衛相、岸田文雄外務大臣と会談。22日付各紙が報じた。会談で、安倍首相は日米同盟の発展にマケイン氏が尽力していることに感謝を表し、マケイン氏はアベノミクスで日本経済が再生していることを評価した。

マケイン氏は、小野寺防衛相との会談でも、在沖縄海兵隊のグアム移転に関して意見交換。普天間移設計画の進展に期待を見せた。だが、それを進めるためには仲井真弘多・沖縄県知事の同意が重要との認識を示した。さらに、中国公船による日本への挑発行動について言及。「状況の平和的解決に一切、貢献していない」と述べ、この後予定されている訪中を念頭に、「中国側に対話と交渉で臨むよう説得したい」と語った。

また、マケイン氏は、岸田外相との会談後に開いた記者会見で、尖閣諸島について、「日本の領土というのが米議会と米政府の立場だ」と明言。これは、尖閣諸島が「日本の施政下にある領域」とする一方で、主権問題では「特定の立場を取らない」とする米政府の見解よりも、踏み込んだ形となった。そして、安倍首相との会談で集団的自衛権の行使容認について意見交換したことを明かし、「日米関係を強化する」と評価した。

マケイン氏は、2008年の米大統領選挙に共和党候補として出馬。結果的には大統領選でオバマ大統領に敗れたが、現在も上院軍事委員会筆頭理事として強い影響力を持っている。

このマケイン氏について、大川隆法・幸福の科学総裁は、大統領選前の2008年10月の時点で、こう述べている。「私には、マケイン氏はアメリカの外交を正しく理解しているように見えます。(中略)マケイン氏は、『中国とロシアがどうなるか』と考え、次の冷戦を完全に意識しており、『アメリカ、日本、オーストラリア、インド等で警戒し、(中国に対する)包囲網をつくっておかなければいけない』という考えを持っているように見えるのです」(『朝の来ない夜はない』)

ただ、大川総裁は同年、「マケイン氏が大統領であれば、日本は『甘えた国』のままで何年かは許されたでしょう。しかし、それでは根本的な解決にはなりません。」(『救世の法』)とも述べている。

アジア政策で対日重視のマケイン氏の存在は日本にとって心強いが、日本の防衛をアメリカに頼り続けると、日本は真の独立を果たせず、「甘えた国」のままでいることになる。日本は、日米同盟を基軸にして国を守りつつも、同時に「自分の国は自分で守る」という原則に立ち返るべきときが来ている。(飯)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『朝の来ない夜はない』 大川隆法著

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幸福の科学出版 『救世の法』 大川隆法著

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