韓国人4人が日本統治時代に戦時徴用されたことに対する個人補償を求めた訴訟で、被告の新日鉄住金が、敗訴判決が確定した場合には賠償に応じる意向であると、18日付産経新聞がトップで報じた。だが、すでに「解決済み」の問題を蒸し返し、日本企業に賠償を命じるような前近代的な国家には、日本政府も企業も甘い顔を見せるべきではない。

そもそも韓国に対する戦後補償については、1965年に発効した日韓基本条約において、すべて解決済みだ。

同条約の協定文書には、「日韓間の両国間及び国民間の請求権に関する問題は、完全かつ最終的に解決されたことを確認する」と、はっきりと書いてある。

同条約に基づいて、日本政府は無償で3億ドル、有償で2億ドル、民間借款で3億ドル、合計8億ドルを韓国に支払っている。この額は当時の韓国の国家予算の2.3倍に当たる巨額な賠償額である。さらに日本は、戦前韓国に残した資産53億ドルも放棄し韓国に与えている。

ところが、韓国政府は「個人補償は韓国政府が行う」ということで一括して補償金を受け取ったが、大半をインフラ整備に使い、個人補償は小規模にとどまっていたことが、近年になってから明らかになった。つまり、韓国国民が日本政府や日本企業に補償を求めているのは、本来、韓国政府に対して求めるべきものである。このことはソウル行政裁判所も2009年に認めている。

しかるに、昨年5月、韓国大法院(最高裁)は、「強制徴用は『反人道的な不法行為』であり協定の対象外」と、いきなり「ちゃぶ台返し」をして、新日鉄住金と三菱重工への個人請求を認め、高裁に差し戻したのだ。

経緯から見て、明らかに韓国政府も司法も国際的なルールを破り、日本との約束も破っている。ゆえに、新日鉄住金は敗訴が確定しても、賠償金を支払うべきではない。支払えば、「私も」と名乗りを次々とあげてくるのは、従軍慰安婦問題を見ても明らかだ。

このような韓国のやり口は、とても近代国家とは言えない。そもそも大統領が交代するたびに、前の大統領を刑務所に入れるというのが慣行となっているこの国には、「過去の約束」など通じないのだろう。

韓国のような「前近代国家」に、日本政府は弱みを見せてはならない。正々堂々と「ルール違反だ。文句があれば国際司法裁判所に訴え出ろ」と言うべきだろう。それでも日本企業への風当たりが強くなるなら、経済制裁も辞さない姿勢を見せればよい。「近代国家とは何か」について、日本は韓国に対して教えてあげなければいけない。(仁)

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