安倍晋三首相は15日放送のテレビ番組で、今回の参院選で初めて「憲法9条改正」に言及した。参院選の自民党公約で触れていなかった9条改正を主張し出したのには、自民党優位との報を受けて安心したからだろうとの見方が出ている。

9条改正に関して、安倍首相はもともと、憲法改正要件を定める96条を先に改正することを目指していた。現在の96条にあるような、「衆参両院で総議員の3分の2以上の賛成票を獲得後、国民投票で2分の1以上の賛成票を獲得」という条件では、9条改正にたどりつけないという考えからだろう。

日本国憲法は制定以来の70年間で一度も改正を経験してこなかった。そのため、現在の96条の下での9条改正は難しいと考えるのは理解できる。

だが、改正要件に同じく「両議院の3分の2以上」という条件を課しているドイツや韓国では、何度も憲法が改正されてきた。必ずしも、改正要件を緩めなければいけないわけではないようだ。

また、96条を改正した場合、危惧される点がある。

大川隆法・幸福の科学総裁は『政治革命家・大川隆法』(幸福の科学出版刊)で、安倍首相が憲法改正に取り組むこと自体は評価しつつも、96条改正について、首相が交替した場合に懸念があるとした。

「憲法改正ができるような体制だけをつくっても、ほかの人に、それを利用された場合、実は、すごいことが起きる可能性があるわけです」

「『安倍さんが思っているのとは全然違う方向で、憲法改正が進んでいく』ということも、ないとは言えません」

憲法改正要件を不用意に緩めることで、首相が交替するごとに憲法が書き替えられてしまう危険性があるのだ。

安倍首相が9条を改正したければ、自身の退陣後のことも考えて、現在の条件下でも改正できるよう、まず国民を説得するべきではないか。(居)

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