参院選が公示された4日夜、幸福実現党(矢内筆勝党首)から東京選挙区に立候補した釈量子氏が、都内で行った本誌主催のセミナーに参加した。中国軍事評論家の平松茂雄氏とともに、「徹底予測 習近平はどう動く?」と題してパネルディスカッションを行った。

平松茂雄氏は、日本における中国の政治・軍事研究の第一人者である。1980年代の後半から中国の空母保有や海洋進出、尖閣進出や弾道ミサイル開発を予測、警告しており、近著の『私の中国分析』には、その30年あまりの研究の軌跡を記している。釈氏はこれまで、平松氏に中国軍事問題に関して師事し、研究を続けてきた。

パネルディスカッションでは、最近の中国の海洋進出が主な話題となった。中国が尖閣諸島だけでなく、太平洋側からも日本に侵略してくる危険があることが話題となり、釈氏が「中国は、沖ノ鳥島を取ると言ってくる可能性もあるのでは」と投げかけると、平松氏は、「沖ノ鳥島が中国の領土になったら、ここは中国の海になっちゃうでしょうね。沖ノ鳥島は、南に行くとグアムがありますからね」と答え、沖ノ鳥島など太平洋の島嶼にも占領の危険が迫っていることを指摘した。

平松氏は、「日本は国土が細長くて、小さな島が無数にある。これらを、通常戦力で自分で守るのは難しい」として、核武装を検討すべきと発言。釈候補は、「原発があるということは、(いざというときには核兵器に転用できるという意味でも)大きな抑止力になっているということですね」と話した。釈氏は原発の早期再稼働を政策として掲げており、同日には東京電力本社前で演説している。

会場から「中国の脅威についてほとんど情報が流れていないこの日本に対して、どう考えているか」という質問を受けると、平松氏は、「やはり、事実を知ることが大事で、知れば少しは変わるので、私も訴え続けなければならないと思っている。どうやって、実際の力にしていくかを、政治家が考えないといけない」とした上で、「釈さんが頑張らないといけない。他の政党の人たちは、どうも役に立つとは思えない。期待しています」と、幸福実現党と釈候補にエールを送った。

今回の参院選で、各党の主張が国内の経済問題に大きく偏る中、釈候補は外交・国防政策を正面から訴える。いつ、周辺国で有事が起きてもおかしくない日本にとっては、国際的な視野と軍事知識を背景に、現実的な政策を打ち出せる政治家が必要だ。(晴)

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【関連サイト】

釈量子公式ウェブサイト

http://shaku-ryoko.net/