日韓関係の大きな障害となっている「従軍慰安婦」問題が、旧日本軍の強制連行ではなく、歴史のねつ造であったことは、これまで本欄でも伝えてきた。その背景には、韓国政府などの公的な関与の可能性も見え隠れするが、なぜそのようなねつ造の必要性に迫られたのか。

この疑問を解く一つの材料として興味深い事実がある。それは今回の一連の慰安婦報道で、どのマスコミも取り上げない「韓国軍慰安婦」の存在だ。

韓国軍慰安婦とは、1945年から90年にかけて、韓国軍ならびに在韓米軍によって組織された慰安婦のことで、主に朝鮮戦争時に、北朝鮮の女性兵士や女性ゲリラの捕虜のほか、北朝鮮・中国側の協力者と判断されたり、逃げ遅れた朝鮮人女性が、まさに強制的な連行によって慰安婦にされた、と指摘されている問題である。

実は、この問題は2002年2月、韓国慶南大学の金貴玉・客員教授が訪日し、京都の立命館大学において開催された国際シンポジウムの席上で明らかにした、まぎれもない歴史上の事実である。金氏の発言は当時、朝日新聞が報道し、先日「原爆は神の懲罰」とした記事で話題になった韓国の中央日報でも紹介された。

金氏は当時、日本と韓国の慰安婦問題をいずれも「強制連行」と理解して同列に扱っていたようだ。しかし重要なのは、旧日本軍が民間業者を利用しており、誘拐などで女性を集めるような悪質業者を選ばないように配慮していたのに比べ、韓国のそれは、軍が女性兵士や捕虜を強制的に慰安婦にしていたという点で決定的に異なる。

改めて慰安婦問題を振り返ってみると、旧日本軍の問題がクローズアップされたのは1980年代。1990年まで存在した在韓米軍を巻き込む韓国軍の慰安婦の事実が、その後、国際社会で問題とされることを避けたいという心情もあって、それが明るみになる前に、韓国側は意識的に「旧日本軍による慰安婦の強制連行があった」という問題にすり替えた、という推測も成り立つわけだ。

今後、「旧日本軍による慰安婦の強制連行が、歴史のねつ造であった」ことが歴史的事実として確定していく過程で、実は「軍による慰安婦の強制連行の事実が存在していたのはむしろ韓国の方だった」ということが明確になっていけば、国際的な非難を受けるのは韓国側になるはずだ。

ぜひ、日韓のメディアにはこの問題の本質をしっかりと追及し、白日の下に真実をさらしてもらわなければならないと思う。(富)

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