中国で5日、国会に相当する第12期全国人民代表大会(全人代)が開幕。温家宝首相は、冒頭の活動報告で「国防と軍隊との現代化の推進を加速させ、強固な国防と強大な軍隊で、国家の主権・安全・領土保全を断固として守る」などと強調した。これに合わせて、中国政府は2013年の軍事算を発表。前年比10.7%増の7406億2200万元(約11兆1100億円)で3年連続の2ケタ増、日本の2.4倍となった。

中国政府は2020年までに軍隊の近代化を目指しており、なかでも「サイバー空間」などの分野を強化する方針である。

最近では、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙やウォール・ストリートジャーナル紙などの大手メディアが、中国からと見られるサイバー攻撃を受けたと表明。こうした攻撃に、上海の浦東新区に本拠地を置くサイバー専門部隊である、中国人民解放軍「61398部隊」が関与していることは広く報じられている。

これに対し、オバマ大統領は2月の一般教書演説の中で、「アメリカの敵はわが国の送電網や金融機関のネットワーク、航空管制システムを妨害しようとしている」などと名指しは避けつつも、暗に中国をけん制した。米政府はサイバー攻撃を事前に察知した場合に、「サイバー先制攻撃」を行う可能性にも言及しており、今後、国防省に属するサイバー司令部の規模を、現在の900人から4000人に増やすという。

一方、日本の官公庁など600を超える機関から依頼を受けているサイバー対策の専門家は、警告の数は一日あたり3億件にのぼっており、そのうち、中国からのアタックも少なくないという。また、ANAやJR各社、銀行などインフラ関連企業に多発している原因不明のシステムエラーも、サイバー攻撃によるものの可能性が高いという(「プレイボーイ」3月18日号)。

現在の法律では、海外からのサイバー攻撃に対して、日本の自衛隊は出動できないと言われているが、「サイバー先制攻撃も辞さない」というアメリカに比べれば、対応が遅れていると言わざるを得ない。日本は、中国が「戦場」と定める宇宙空間でも遅れをとっているが、本当に国民を守るための国防体制を整える必要があるだろう。(居)

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