2013年1月号記事

仏教の歴史の中では乱世や国難の際、高僧が「国師」として為政者にアドバイスし、戦乱を収めたり、貧民を救済したりしてきた。

例えば、日本の鎌倉・室町の禅僧、夢窓疎石(1275~1351年)は、北条氏や足利氏、天皇家からも帰依を受けた。彼らに「いま人から仰がれるのは過去の善業による。戦乱が続けば悪業が募る」と、仏法を興隆して泰平の世を開くよう説いた。

六大神通力に基づき為政者を指南した釈尊

開祖の釈尊自身が偉大な国師だった。 北インド統一を目指すマガタ国の阿闍世王は近隣の国ヴリッジを征服しようとした際、釈尊の意見を聞いてくるよう家臣に命じた。釈尊は「ヴリッジの人たちは民主的で一致和合しているか。宗教家を尊敬しているか。それらを守っている間は繁栄こそするが、衰えることはない」と答えた。

釈尊は、あの世の霊と対話する「天耳」などの六大神通力を得ており、梵天や悪魔との対話が残っている。過去世や未来世を見通す「宿命」もその能力の一つ。 国師としての政治指南は、時の権力者と国民が来世も含めて幸福になるのかどうか、縁起の理法に基づいて行われた。

釈尊は、父王を殺した阿闍世王について、「宿業によって、殺す者は殺される」と述べたことがある。実際に阿闍世王は後に息子に殺され、王位を奪われたと伝えられる。

釈尊以上の法力で世界を導く

幸福の科学の大川隆法総裁は、釈尊以上の六大神通力を駆使している。2012年だけで100回以上の霊言(あの世の霊の言葉を語り下すこと)を行ったのはその証明だ。年初に収録された白川方明日銀総裁の守護霊の霊言では、景気回復に責任を感じず、経済成長そのものを否定している同氏の潜在意識が明らかになった。

白川氏の元同僚にこの霊言を目の前で読んでもらう機会があったが、その人は「本当に白川さんそのまま。なんでこんなに本音が出ているのか」と1時間半にわたって“解説"してくれた。つまり、釈尊同様に、大川総裁はその法力を使って国師(ナショナル・ティーチャー)としての仕事をしている。

大川総裁による導きは日本に限らず、世界情勢にも及び、ワールド・ティーチャー(世界教師、人類の教師)としての指針を示している。

哲学者の和辻哲郎は、人類の教師として釈尊、キリスト、孔子、ソクラテスの「四聖」を挙げた。ただ、いずれも在世中は限られた地域の人々を教え導き、世界に影響を与えるには何百年の歳月がかかった。

生きながらにして人類全体の教師となるのは、歴史上初めてのことかもしれない。

世界に「自由の風」を吹かせる人類の教師

現代は地球規模の「乱世」に入っている。

神仏を否定し、人権を無視する唯物論国家・中国が勢力圏を広げようとしており、その独裁制の下で数多くの不幸が生まれている。

キリスト教国(+ユダヤ教国)とイスラム教国との対立が解けず、神の名において戦争が続いている。

日本も欧米も「大きな政府」に傾き、企業家精神や自助努力の精神が圧迫されている。その結果、人口100億人に向かう人類を養えるだけの経済繁栄が難しくなってきている。

共通するのは、 専制や戦争、貧困の下で自由が失われていっている ということだ。

それに抗して中国や日本、欧米諸国、イスラム圏に「自由の風」を吹かせ、人類を導こうとしている存在が、まさにワールド・ティーチャーだ。

幸福実現党の理想

大川総裁は、釈尊と同じように「解脱」を説く。人間は神仏に創られた神の子・仏の子であり、永遠の転生輪廻の中で、もし悪しき運命があるなら努力精進してそれを克服することができると。つまり、人間は仏と同じような自由意志や創造性を発揮し、自分の力で幸福な人生を切り開いていけるという教えだ。

その観点から、自助努力を押しとどめるような、圧政や戦乱、極度の貧困はできるだけ取り除かれなければならない。

そうした 「自由の大国」、自由な世界を築くために、国師、ワールド・ティーチャーは幸福実現党を創った。そこには全人類幸福化の理想が込められている。

(綾織次郎)