「やっぱり」とどのマスコミも口をそろえたのが、田中真紀子文部科学相の「大学新設認めない」発言の撤回だ。もはや大臣の資格はない。罷免要求も当然だが、次回当選も危ういだろう。

衆院文部科学委員会で5時間半にわたって野党側の追及を受けた田中文科相は7日、最後にようやく、「3校については認可します」と、不認可を一転して認めた。

それでも田中氏は、「圧力に屈したわけではない」「3校はいい宣伝になったのでは」などとうそぶいている。

藤村修官房長官もまた8日、「閣僚として間違ったことはしていない」と、田中氏の辞任の必要はないと身内をかばった。

田中氏も野田政権も、自分たちがどれほど間違ったことをしたかという認識がないらしい。大学設置認可というのは、大学側が何年も前から準備を進め、それを役所がうるさくチェックして、ようやく認可にこぎつけたものだ。それを「ちゃぶ台返し」のようにひっくり返したら、「損害賠償」ものだろう。すでに3大学については来春開学予定で、受験生も準備を進めているのだ。彼らにどれだけ迷惑をかけたかを考える頭もないならば、大臣の資格どころか国会議員の資格もない。

一部報道によれば、田中氏は次期衆院選での苦戦が伝えられており、かなりの焦りがあって、パフォーマンスに出たという見方もある。だが、今回の一件で有権者もあきれたことだろう。目立ちたがりが完璧に裏目に出た格好だ。

だが、今回はマスコミの総攻撃によって撤回せざるを得なくなったが、このような「ちゃぶ台返し」の横暴は民主党の「お家芸」ともいえる。3年前に民主党政権が誕生して以後、似たような出来事は枚挙に暇がないほどだ。

  • 鳩山由紀夫首相が普天間基地の辺野古移設案を完全否定して「最低でも県外」と公約し、その後の日米関係を大きく悪化させ、いまだに解決の糸口もない。
  • 前原誠司国土交通相が「八ッ場ダム中止」を決定した(2011年9月に建設再開決定)。
  • 東日本大震災での福島原発事故に関連して、菅直人首相が浜岡原発を運転中止にし、「ストレステスト」をすべての原発に課した。そのためほとんどの原発が運転停止状態となり、今に至る。

その他、「事業仕分け」というパフォーマンスで、世界一を誇る日本のスーパーコンピューターに対して蓮舫氏が「2位じゃダメなんですか」と発言して予算削減したり、のちに全国民を熱狂させた小型惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」の開発予算を削るなど、笑い話では済まない逆判断の連続だ。

こうして見ると、民主党政権は首相も大臣も、国民を不幸にすることばかりを目指しているように見える。野田首相の「命がけ」で通した消費税増税法案も、景気をさらに悪化させるばかりだ。早々に総辞職か解散・総選挙で、不幸を呼ぶ政治家を入れ替えないと、こうした「笑い話」が続くことになる。(仁)

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