「週刊朝日」の河畠大四(かわばた・だいし)編集長が26日、更迭された。同誌10月26日号(16日発売)に掲載した橋下徹・大阪市長に関する記事の責任を取った形だ。

同誌は10月26日号で、「ハシシタ 奴の本性」と題した緊急連載を開始。関係者への取材を通じ、すでに亡くなっている橋下氏の父親や親戚の素行に関する記事を掲載した。暴力団との関係やドロドロした人間関係を際立たせたような興味本位の記事である。

これに対し橋下氏は、雑誌発売後、親会社の朝日新聞社や朝日放送に対して取材拒否を明言。その後、週刊朝日は、編集長名のおわびを掲載したが、掲載誌を送付しただけの対応について、橋下氏は「謝り方ひとつ知らないバカ集団」と批判していた。

こうした流れの中で今回の編集長の更迭が行われたわけだが、週刊朝日の"悩乱"は昨夏から始まっていた。同誌は昨年7月、幸福の科学と係争中の人物を紹介する記事を掲載し、大川隆法・幸福の科学総裁の名前を見出しに使って興味を引こうとするなどしたため、幸福の科学グループが、週刊朝日に抗議している。

また今年に入っても、日本のエネルギー体制を窮地に追い込む、首相官邸前での脱原発運動を持ち上げる記事を掲載。尖閣問題に対する中国の反日暴動についても、「今回の騒動の原因は、紛れもなく石原都知事のスタンドプレーにある」と、中国を擁護するような主張を展開している。

実は、昨年7月の段階で、大川総裁は、河畠編集長の守護霊を招霊している。このとき、河畠編集長の守護霊はこう話していた。「不祥事が続いて、本体(朝日新聞社:編集部注)のほうにまで影響が出すぎるようだったら、それは経営責任取らされることはある。(中略)記事が間違っていて、訴訟を打たれて、二百万円負けたぐらいでは、クビになるとこまで行きはしない」(『現代の法難(4) 朝日ジャーナリズムの「守護神」に迫る』に収録)

また、この守護霊インタビューが書籍として出版されることを心配して、「出す気か? それはまずいなあ。いや、更迭される可能性がある。だから、今、用心して、言葉を選んだつもりだけど……」(同)と語っていた。

マスコミは、国民を苦しめる独裁的な政治体制を批判する点において重要な役割があり、民主主義を担保している面がある。しかし、間違った価値観で政治家を引きずり下ろしたり、低俗な興味本位の記事で個人や組織を中傷するようでは、マスコミ自身が衆愚政を呼び込み、国を衰退させる。

今回の更迭劇は、ある意味で、衆愚政を呼び込んできた既存マスコミの価値観の崩壊を予感させる出来事である。(格)

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2011年8月2日Web限定記事 朝日ジャーナリズムの「守護神」に迫る

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2543

2011年10月号記事 「朝日」を操る"魔物"の正体

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2702

【参考書籍】

幸福の科学出版 『現代の法難(4) 朝日ジャーナリズムの「守護神」に迫る』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=19