尖閣はいつから中国の領土になったのか。沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島に今月18日、日本人2人が上陸したことに対し、沖縄県警八重山署は28日、この2人を軽犯罪法違反(立ち入り禁止場所等侵入)の容疑で那覇地検石垣支部に書類送検した。尖閣諸島への無許可上陸の立件は初めてである。

本欄では、石垣への帰港直後、そのうちの1人である歌手のトクマ(TOKMA)さん(幸福実現党党員)に電話でインタビュー。「命がけの思いだった」「震えが止まらなかった」などと、日本の領土を守りたいという切実な思いを語ってもらった(下記、関連記事参照)。

ところが、この勇気ある行動に対し、羽田雄一郎・国土交通相は19日、被害届を出す方針を表明し、翌20日、国交省の外局である海上保安庁が沖縄県警に被害届を提出。今回、書類送検を行った。

だが、野田政権は、香港の活動家ら14人が魚釣島に不法上陸した際には、逮捕後、飛行機のビジネスクラスに乗せて中国に送り返すという措置で、事実上の「無罪」としている。にもかかわらず、自国の領土に上陸した日本人2人には書類送検という形で、刑法犯として裁こうとしているのだ。

中国では、反日デモや日系企業の工場や店舗への放火や略奪が相次ぎ、27日夜(日本時間28日午前)には、中国の外相が国連総会の演説で、「尖閣は、日本が中国から盗んだ」と名指しで批判した。常軌を逸した行動である。

このような状況下で、野田政権が、日本の領土に上陸した日本人を「有罪」とすることは、中国の恫喝に屈して「自国民を売る」ようなものだ。尖閣の国有化は自国の領土を守るためでなく、中国に明け渡すための準備だったのか。

民主党政権は、菅首相時代の2010年9月、尖閣沖の中国漁船衝突事件で、逮捕した中国人船長を釈放した際、「沖縄の那覇地検の裁量に委ねる。それを了とする」などと言って、地検に責任をなすりつけ、外交判断から逃げた“前科"がある。検察庁は、司法機関ではなく行政機関の一つであり、そのトップが首相であるにもかかわらずだ。

今回も、野田首相は、那覇地検に責任をなすりつける可能性があるが、いずれにしても、1000隻とも言われる中国漁船が尖閣に向かう中、生命の危険も顧みずに尖閣を守るために上陸を果たした勇気ある日本人2人は当然「愛国無罪」だ。自国民を中国に売るような政権の異常な判断に、日本人はもっと怒るべきである。(格)

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トクマ尖閣上陸ライブ動画

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2012年9月19日本欄 尖閣上陸に国交省が被害届 日本人上陸者をなぜ「愛国有罪」にするのか?

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4880

2012年9月18日本欄 尖閣に上陸した幸福実現党員は「愛国無罪」

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