全国の大学生でつくる「未来創造の会」80人が22日、東京・麻布の中国大使館前で、中国による尖閣への侵略行為に対する抗議行動を行った。学生らは5人一組に分かれてそれぞれに抗議文を読み上げ、シュプレヒコールを行った。

学生たちは次のような抗議文を読み上げた。

「日本を防衛するために決起した学生を代表して、中国共産党一党独裁政権による、日本国沖縄県石垣市に属する尖閣諸島への侵略行為に対して断固抗議する。尖閣諸島は日本固有の領土である」

「我が国は1978年~2004年にかけてODAや民間援助など約6兆円もの莫大な援助を中国に行い、中国経済の発展に大いに貢献してきた。恩を仇で返すがごとく今や核弾頭を開発し我が国に照準を合わせ、我が国の固有の領土の侵略を企てるとは無礼千万である」

シュプレヒコールでは「他国から富を奪う、時代遅れの帝国主義をやめろ」「尖閣は日本の領土だ」などと叫び、また、「中国は反日デモを取り締まるべきだ」「かつて日本は満州を統治していたが、日本が今満州の領有権を主張したら認めるのか」などと声を上げた。

抗議中は散歩中やランニング中の方が通りかかり、足を止めて聞き入る人もいた。1時間ちょうどで抗議行動は整然と終了した。

沖縄から参加した大学2年生の男性は、「尖閣に中国の漁船が集まると聞いて、居ても立ってもいられず参加しました。どこかで主張しなければ、日本は意見がないことになってしまう」と語っていた。

中国では、日本政府が尖閣を国有化した11日から反日デモが続き、中国全土で8万人に上る日もあったという。81年前に柳条湖事件の起きた18日には北京の日本大使館周辺に1000人以上が集まり、ペットボトルが大量に投げ込まれ、大使館突入を試みたデモ参加者も出た。日系スーパーなどが暴徒化したデモ参加者に略奪された映像は記憶にも新しい。

一方、日本はどうか。麻布署は「決まり事」として、大使館前での抗議行動を記録係を含めて一度に5人までと制限している。今回の抗議行動でも、10数人の警官が張り付いて中国大使館を守っていた。一組終わるごとに観衆から拍手が上がったが、その拍手さえ意思表示とみなされ、警官に制止されていた。

中国のデモは暴徒化しても「愛国無罪」として許され、日本では、抗議行動が抗議とも呼べないほど規制を受けている。中国へのデモが小規模なものだと操作したいかのようだ。外交、通商においては2国間で互いに同じ待遇を与える「相互主義」の原則があるが、これが日中間では異常なアンバランスがある。日本政府や警察は中国への無用な"配慮"はやめて、もっと「抗議の自由」を認めるべきだろう。認めないのであれば、日本のほうが「言論の自由」を統制した全体主義国家ということになってしまう。(居)

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