北朝鮮 「経済改革」の背景にある権力闘争

 

21日付各紙は、北朝鮮が進める「経済改革」について報じている。

 

産経新聞は、金正恩政権が打ち出した新しい経済政策について、国が工場や農地に資金を前貸しして、生産物を国が買い取る方式と紹介。「投資や変動価格を取り込むなど表面上"改革開放"とも受け止められるが、実際には企業や農場への統制を強める内容」と分析する。

 

また、朝日新聞は、こうした経済改革を進める背景に、軍の既得権を抑える狙いがあると指摘。軍が商社などをつくって独自の貿易で巨額の利益を上げているため、ここに手を突っ込むために、今回、金正恩政権が、嫌がる軍を差し置いて経済改革に踏み切ったと分析する。

 

北朝鮮では今月中旬、軍トップの李英鎬(リ・ヨンホ)・総参謀長が、「病気のため」党のすべての役職を解かれることが決まった。その後も、李氏が総参謀長を解任され、解任時に護衛兵とともに武力抵抗し、20人が死亡、李氏自身も負傷、または死亡した可能性があるという情報も伝わっている。

 

話を整理するため、金正日総書記の死去以降の、北朝鮮内部の動きを概観すると次のようになる。

 

正恩氏は政権を安定させるために、父・正日氏の側近だった李氏を側近に迎えて軍をまとめた。ちなみに李氏は、2010年の韓国哨戒艦沈没事件や延坪島砲撃事件、今年4月のミサイル発射事件などに関わった、北朝鮮の「先軍政治」を象徴する人物である。一方、後見人として正恩氏を支える叔父の張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長は、経済改革重視で親中派だ。

 

今回の経済改革は、軍優先の李氏のグループと、経済改革優先の張氏のグループの間で権力闘争が繰り広げられ、その結果、張氏側に軍配が上がったことを示している。

 

しかしだからと言って、北朝鮮が日本に融和的になるわけではない。

 

金正恩政権は、今後、中国の権力闘争で優位に立つ胡錦濤政権とのつながりが強まる可能性が高いし、今後、李氏グループが巻き返しに出る可能性もある。北朝鮮でも中国でも「反日」の旗を掲げれば、どの勢力も共闘できることを考えれば、日本は早急に国防を強化しなければならないという結論に落ち着く。(格)

 

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2012年6月23日付本欄  中国企業が北朝鮮へ武器関連輸出、中国に国連常任理事国の資格なし

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4462

 

2012年3月号記事 特集 2012 北朝鮮を崩壊させよ 民族分断の悲劇に終止符を

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3736

 

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