21日に読売新聞が報じた「死亡前、鬼籍の親・仏ら『お迎え』…4割が体験」というニュースが、ネット上で話題になっている。これは、自宅で看取られた患者の約4割が、亡くなる前にすでにこの世を去った親の姿を見たと語るなど、いわゆる「お迎え」体験を持ち、それが穏やかな看取りにつながっているとの研究の結果だ。

この研究は、文部科学省の科学研究費補助金を得て実施された。2011年に、在宅診療を行う医師や大学研究者らが、家族を看取った遺族に対してアンケートを取った結果、「患者が、他人には見えない人の存在や風景について語った。あるいは、見えている、聞こえている、感じているようだった」と答えた遺族は41%にのぼった。見えたり感じたりした内容は、親など「すでに死去していた人物」が最も多く、「仏」や「光」という回答もあった。お迎えを体験した後、患者は死に対する不安が安らぐように見える場合が多く、47%が本人にとって「良かった」と評価し、否定的評価19%を上回っている。

発売中の「文藝春秋」7月号にも、この研究の記事が出ている。それによると、研究メンバーの一人である東北大学医学部の岡部健教授は、在宅ホスピス診療所を開設した頃、死期を迎えた患者が「お迎え」の体験を語るケースが多いことに目を向けるべきだと考え、2002年から調査を始めた。先行研究はなく、少なくとも日本初の調査のようだ。

読売新聞の医療サイトyomiDr.には、今回の研究について岡部教授のコメントがこう紹介されている。「『お迎え』体験を語り合える家族は、穏やかなみとりが出来る。たとえ幻覚や妄想であっても、本人と家族が死を受け入れる一つの現象として評価するべきだ」

幸福の科学の霊的知識から言えば、「お迎え」とは、先にあの世に帰った霊が迎えに来てくれているのであり、決して妄想や幻覚ではなく、霊的な真実である。こうした現実に、学術界が目を向け始めていることの意義は大きい。死を目前とした患者や家族へのケアの視点からも、霊的真実に立脚した医療の構築が求められている。(晴)

【参考書籍】

幸福の科学出版ホームページ 『不滅の法』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=7

【関連記事】

2012年4月29日付本欄 「実践宗教学」は死別の悲しみをどこまで癒せるか

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4220

2011年2月28日付本欄 「ヒアアフター」がらみの臨死体験記事

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1442