イランの核開発問題を巡る米欧ロ6カ国とイランのモスクワでの協議で18、19日、イラン側が焦点だった濃縮度20%ウランの生産停止に応じなかった。そのため、イランに対する制裁が今月28日から本格的に発動されることになった。21日付の各紙が報じた。

米民間研究機関によると、イランの20%ウランの保有量は2012年中に核兵器1個分に達する見込み。

制裁の柱となるのは、米国が28日に発動するイラン中央銀行と取引する国の金融機関と米銀の取引を禁止する金融制裁と、EUが7月1日に完全実施するイラン産原油の輸入禁止措置である。

イランの核問題責任者のサイード・ジャリリ氏は「6カ国側がイランにウラン濃縮の権利があることを認めると同時に、イランは現在進める濃縮度20%のウラン製造を停止する」案に言及し、態度軟化の姿勢も見せている。だが、6カ国側は濃縮停止に条件をつけることを拒否したという(21日付日経新聞)。

オバマ米大統領はイランへの武力行使の選択肢を排除しないと表明しているが、再選を目指す11月の大統領選をにらみ、今年中は協議を引きのばす考えとみられている。

日本人からは見えにくいかもしれないが、一連の問題の根本にあるのは、キリスト教国とイスラム教国の一神教同士の宗教対立である。いずれの教えにも時代性や地域性という限界があるのだが、それが理解できないために、相手を理解することもできず、「やるか、やられるか」という争いに発展する。

大川隆法・幸福の科学総裁は4月、イランのアフマディネジャド大統領とイスラエルのネタニヤフ首相の守護霊の霊言を行い、両者ともに譲らない状況をみて、次のように語った。

「キリスト教とイスラム教に、『20億対10億の戦い』をされるのは、けっこうきついですね」「私たちが、彼らに、『いや、神の考えは時代によって違うのだ。本当は、こういう考えなのだ』ということを教えることによって、それが何らかの話し合いの材料になるといい」(『イラン大統領vs.イスラエル首相』所収)

今、世界が求めるのは、成り立ちが異なる宗教の教えを統合し、あらゆる民族や人種をも包み込む、地球規模の教えだろう。その答えは、今月30日発売の弊誌8月号特集「現代に救世主はいるか」の中にある。(居)

【参考書籍】

幸福の科学出版ホームページ 『イラン大統領vs.イスラエル首相 ~中東の核戦争は回避できるのか~』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=753

【関連記事】

2012年5月29日付本欄 イランの核開発は、明らかに対イスラエル兵器用

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4374