2012年7月号記事

日本侵略は「海」から進んでいく

ノンフィクション作家

河添恵子
Keiko Kawasoe

1963年千葉県生まれ。名古屋市立女子短大卒業後、86年より北京外国語学院、87年より遼寧師範大学へ留学。著書に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)などがある。

日本は、オウランの「極東省」として編入され、絶対権力者のラオ・ポルト( 中央)の下で、あらゆる自由が奪われていく。

映画では日本が空から侵略されていましたが、本当に危ないのは「海から」だと思います。飛行機や空港に対する規制に比べて、港の規制は少ないと関係者から聞いています。

3月、中国が新潟総領事館の移転・拡大のために、新潟市内の一等地、約1万5千平方メートルを購入したことが報じられました。それについて、かなりの危機感を抱いています。 広大な敷地には、領事公邸や業務棟のほか、100人が泊まれる宿舎が建つそうですが、なぜそんな施設が必要なのでしょう?

日本海を隔てた対岸には北朝鮮の羅津港があり、ここは中国が借地している港です。近い将来、中国や北朝鮮の工作員や闇労働者、覚せい剤や偽ブランド品などが新潟にガンガン送り込まれ、領事館を拠点とする日本侵略(=自治区化)が始まるのでは? 加えて不可解なのは、ほかの領事館が中国外務省の管轄なのに、新潟は中国共産党の直轄だということです。

「アメリカが何とかしてくれる」と考える人もいるかもしれません。でも、大統領選を11月に控え、今や政治空白のシーズンに突入しています。中国も秋に党大会がありますが、 共産党内部の権力闘争や人民解放軍の暴走、都市部にあふれた失業者、農民、若者の暴動などで国内がコントロールできなくなり、再び反日運動によるガス抜きが激化する可能性もありそうです。

また、映画を観ていて疑問に感じたのは、主人公が最後に訴えていた「愛」について。果たして、中国人が理解できるかどうか? 徹底的に宗教を排除してきた彼らにとっての「愛」とは、お金や家、車や地位など分かりやすいものです。中国人は少なからず「お金さえあれば、何でも自分の思い通りになる」と信じているようです。その彼らに、愛や宗教心を理解させることは残念ながら、至難の業ではないかと思っています。

「日本占領」は、フィクションなのか? (識者によるコメントあり)