未曾有の被害をもたらした東日本大震災でも日本人の不屈の魂は消えなかったとして、国際連合訓練調査研究所の広島事務所のNassrine Azimi氏が5月初めに東北を訪ねた感想を、16日付インターナショナル・ヘラルド・トリビューンに書いている。以下、要旨を抜粋。

  • 福島、宮城、岩手の3県の地震と津波被害の大きかった地域の土地利用計画で、環境保護、工業団地、太陽光パネル工場、ハイキングコースなどのプランが出ている。普段は内向きな日本だが、今、学者、ビジネスマン、ジャーナリスト、母親、学生、建築家、ボランティアらが積極的に関与して開かれた議論を行っている。ねじれ国会でも復興債を発行し、局地的なバブルが起きている。
  • しかし3県のうち、福島だけは第一原発の不安から事情が違う。放射能への不安が続き、計画避難で地域社会や家庭がばらばらに壊れてしまった。数週間前には核燃料の露出、プールの水の漏れなどが注目され、福島の住民たちは、この先数年から数十年も不安から逃れられないかもしれないという。また小さな地震が頻発し、落ち着かない状況が続く。
  • だが、福島の住民は逃げ出してはいない。いわき市の母親たちは、どうやってコミュニティセンターを運営し、子供の給食の放射線量を測定しているかを語った。また、「大人のせいで起きた放射能の危険に子供が怯えている」とある母親は語った。
  • 1000年越えの滝桜が咲いていた。現地の人は口々に、「木や水や空気、山が生きている限り私たちは大丈夫だ」と語った。

この記事ではシーベルトなどの具体的な数字を示していないが、読んだ印象としてはまるで福島第一原発がチェルノブイリであるかのような錯覚を受ける。これでは福島の農産物に放射能不安を持たれても仕方あるまい。

健康被害の点からは全く危険域に入ってなどいないのに、帰還困難区域を作ったから、外国メディアまでこうなるのだ。弊誌で再三繰り返しているように、福島に健康被害は起きない。政府は国内外のメディアに対して、それをはっきりと知らせるべきだろう。(居)

【関連記事】

2011年8月号記事 「福島の住民に 健康被害は起きない」 原発を救え! もはや危険地帯ではない 放射線量調査 独占レポート【特別無料記事】

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2274