福島第一原発事故をめぐっては、未だに「放射能による健康被害が今にも起こる」と言わんとばかりの報道が続いている。ある大手紙系週刊誌は、福島県内の子供たちに「僕は大人になれますか? 大人になれないとサッカー日本代表選手になれない」と言わせ、不安をあおっている。5歳の子供が「ほうしゃのうをなくしてください」と書いたとして、そのけな気さをほめたたえている。

福島県は20日、原発事故による県民の外部被曝線量を、放射線量の高い浪江、川俣、飯舘3町村の約1万人について発表した。

これによると、計9747人のうち、1ミリシーベルト未満が5636人(約58%)、1ミリシーベルト以上10ミリシーベルト未満が4040人(41%)、10ミリシーベルト以上が71人(0.7%)。このうち20ミリシーベルト以上は2人で、最高は23ミリシーベルトだった。

山下俊一・福島県立医科大副学長は記者会見で、「年間100ミリシーベルト以下の被曝では明確な発がんリスクはなく、この結果から健康影響は考えにくい」と述べている。

本誌は事故後1カ月ほど経った昨年4月の時点から本webで「放射能による健康被害が出ないだろう」ということを報道し、6月末発売号の本誌で、札幌医科大の高田純教授の現地調査(6月)の模様をレポートした記事「福島の住民に健康被害は起きない」を掲載した。

この中で高田教授はこう述べている。

「福島県民の今年1年間の積算被曝線量はレベルD(2~10ミリシーベルト)です。来年はもっと下がります。ニュースでは福島は放射能で危ないと言われているが、福島県民は今回の原発事故によって健康被害を受けないというのが私の調査の結果です」

今回の福島県の調査結果はまさに99.3%の県民の外部被曝が10ミリシーベルト未満だったことを示している(しかも放射線量の高い地域で)。10ミリシーベルトというのは、CTスキャン1回分に満たない数値。そのレベルで週刊誌は「放射能をなくしてください」と大騒ぎしている。

微量の放射能への恐怖をあおるマスコミには、別の意図があると考えたほうがいいだろう。放射能を恐怖させ、「脱原発」を進めることで、日本に電力不足と核兵器へのアレルギーを定着させる。日本を衰退させたい勢力の活動を阻止しなければならない。(織)

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2011年8月号記事 「福島の住民に健康被害は 起きない」 もはや危険地帯ではない放射線量調査 独占レポート

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2274