日本国債が、国内格付け会社のR&Iも21日、一段階引き下げた。ところが同日の日銀発表では、「海外投資家の日本国債保有残高が過去最高」となった。

海外投資家が保有する日本国債残高は9月末時点で前年比30.7%増の75.7兆円で過去最高、保有比率は8.2%で過去2番目となった。欧州債務危機を受け、安全な投資先を求める海外マネーが日本国債に流れ込んだ形で、これが歴史的な円高の一因ともなった(22日付東京新聞)。

政府が声高に叫ぶ「日本の借金」として大いに「嫌われ者」の日本国債、9月末の残高は918兆円になる。格付けは相次いで引き下げられてしまったが、海外投資家には大人気だ。

この「矛盾」は一体何なのか?

そろそろ政府や財務省もマスコミも、ウソをつき続けるのはやめてはどうか。「借金大国」の国債がこんなに売れるわけがない。それはギリシャを見れば一目瞭然だ。ギリシャ国債の金利は150%(2年物)もついても誰も買わない。日本国債は1%に満たなくても大人気。それは「日本は絶対に破綻しない」という安心感があるからだ。

円はますます強くなり、海外から日本に投資する動きは強まっている。ならば、遠慮なく国債発行を増やして、海外にどんどん買ってもらえばよい。その金で震災復興もできるし、東電に背負わせている賠償もできる。さらにインフラ投資を行って大規模な景気回復策を打てる。そうなれば税収も増えるから、増税は要らない。株価もどんどん上がるから、年金運用資金も増える。

野田政権はマイナスの発想をしているから、暗い未来しか描けず、マイナスばかりを引き寄せている。プラスの発想、明るい未来を描き、プラスを引き寄せる「繁栄思考」こそ、日本を救い、世界を救うのだ。(仁)

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