「イランの核開発は核兵器の開発を目指したもの」と、IAEA(国際原子力機関)が報告書を提示したことで、イスラエルの「イラン攻撃」が現実味を帯びてきた、と18日付東京新聞が報じている。

同紙によると、すでに今月5日、ペレス・イスラエル大統領が「イラン攻撃の可能性は高まった」と発言(5日付本欄参照)。これはイランに対する牽制と受け取られたが、IAEAの報告書が、攻撃への「お墨付き」を与えることになりかねないという。

イスラエルの空爆は最大2、3カ所に一回限りが限度だが、イランは攻撃を警戒して核施設を国内20カ所以上に分散させているとされ、壊滅的打撃を与えるのは困難とみられる。

イランの最高指導者ハメネイ師は今月10日、攻撃を受ければ「鉄拳による攻撃で応じる」と強調。弾道ミサイルなどによる報復攻撃が予想される。(同紙)

イスラエルから見れば、周囲をイスラム教国に囲まれ、唯一の頼みの綱だったエジプトも親米政権が倒され、イラクから年内に米軍撤退と、オバマ大統領のアメリカにも見放されたに等しい。イランが核装備すれば、もはや「消滅」の危機になりかねない。

だが、イランに先制攻撃をかければ、さらなる報復を呼ぶのは必至だ。東アジアに加え、中東も危険な綱渡りが続いてゆく。(仁)

【関連記事】

2011年2月13日付

エジプト民主化は、イスラエル消滅の危機 「セルフヘルプと愛国心」ポイント速報

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1293