21日から22日かけて各紙が、福島第一原発の20キロ圏内(警戒区域)の一部は長期間住むことができず、立ち入り禁止措置を継続すると報じている。

ただ、この根拠となっているのが、文部科学省が19日に公表した、警戒区域内の事故直後から1年間の積算放射線量の推計値。これによると、最高値は大熊町小入野の508.1ミリシーベルトで、100ミリシーベルト以上が50地点のうち15カ所となった。

ただ、20日付の本欄で指摘したが、これは第一原発から放出される放射線量が現在の1000万倍もある事故直後数日を含むもの。第一原発の敷地境界線で今から1年間ずっと居続けても0.4ミリシーベルト程度にしかならない。

確かに放射性物質が一部地域に残留してはいるが、計画的に除染すれば、確実に放射線量は減らすことができる。

政府の原発事故の発想には、地域住民たちが自分たちでふるさとを再建・再生させていこうという動きを阻止し、政府がやる仕事を無理にでもつくり出そうという意図があるのではないか。(織)