中国電力は31日、来年3月に営業運転の開始を予定していた、新設中の島根原発3号機(松江市、137万キロワット)の稼働を延期すると発表した。

中国電力によると、昨年11月に制御棒を炉心に出し入れする装置に不具合が見つかり、分解点検を行っていた。だが、東日本大震災で茨城県内の点検工場が被災したため、工程に遅れが出て、現在も点検が続いているという。

しかし、中国電力を悩ますのは、点検の遅れだけではない。3号機は93%が完成している段階だが、完成後、本当に運転を開始できるかという問題がある。

通常は、新設の原発を動かし始める時、地元自治体や住民の承諾を得る必要はない。だが、福島第一原発の事故や、菅首相が事実上の停止命令を出した浜岡原発の全面停止の影響で、全国で「原発は地元の理解を得なければ、動かせない」という不文律ができてしまった。「地元の理解」の定義も曖昧だ。

さらに、国内の原発は13カ月の間に一度の定期点検(3~4カ月間)が義務付けられているが、この不文律のために、今、日本中で定期点検終了後に再稼働できない原発が相次いでいる。この影響で、今夏には国内の原発54基のうち約8割にあたる42基が止まり(5月14日時点の弊誌まとめ)、全国で慢性的な電力不足に陥る恐れがある。

菅政権は7月1日から約3カ月間、東京電力、東北電力管内に電力使用制限令を発動し、多くの電力を使う工場などに昨夏のピーク時に比べ原則15%の節電を義務付ける。こうした動きを受けて、国内の拠点を海外に移す企業も増え、そんな中でも、消費税増税問題が積極的に議論されている。日本経済を衰退させる方向ばかりに舵をきる菅首相は、一刻も早く政権の座を降りるべきだ。(格)

【参考記事】2011年7月号「原発を救え!」

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2048