韓国のエリート国立大学KAIST(旧称・韓国科学技術院)では今年に入って4月までに学生4人と教授1人が自殺で亡くなり、学内では今もその重苦しさが尾を引いているという。23日付米紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンから要約紹介。

  • KAISTは理科系のエリート学生が集まる大学。4人目の自殺学生が出た4月7日、同大学の学生自治会が発表した声明にはこんな言葉があった。「来る日も来る日も競争で息が詰まりそうだ。宿題が多すぎて、悩んでいる友達のために時間を30分とることさえできない」。
  • 韓国の若者はOECD加盟国の中で最も不幸なグループに属する。韓国教育省によれば昨年は中学生53人と小学生3人を含む146人の学生が自殺で亡くなっている。直近の韓国人の自殺率は10万人当たり21.9人と高い(ちなみに日本は24.0人)。
  • KAISTの心理カウンセラーによれば、同大の学生のほとんどは高校では成績が1番のスーパースターだったが、KAIST(1学年千人)に入ると周り中が秀才なので40番や400番になってしまう。人生で初めての挫折を経験して耐えられなくなってしまうのだ。
  • KAISTの徐南杓(ソ・ナムピョ)学長はマサチューセッツ工科大学(MIT)で長年教えた人物で、同大学をMITなど世界トップクラスの大学をモデルとして躍進させようとした。その手段として、平均点より成績の悪い学生からは成績に応じて懲罰的な追加授業料を取り、授業はすべて英語で行うようにしていたが、学生たちのプレッシャーになっていると批判されたため、これらの施策は中止ないし緩和することにした。

秀才の自己イメージが崩れたことに耐えられず自殺してしまうケースは日本にも見られる。だが、その人も周囲から見れば人もうらやむ名門校の学生であり、自殺してしまうのはあまりに世間の中での自分の立場を知らなすぎる、視野の狭い行動と言わざるを得ない。何より、幸福の科学が2003年から「自殺を減らそうキャンペーン」で訴え続けている通り、人間の魂は死んでも死なず、自殺しても苦しみから逃れることはできない。競争社会の影としての自殺を減らすため、韓国でもそうした真実が広まることを心から願わずにいられない。(司)

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