《本記事のポイント》

  • 時間の使い方を「見える化」する
  • ルールを決め、迷う時間をゼロにする
  • スケジュールに従って動けば、自然に習慣化できる

コロナ禍でテレワークが導入され、自宅で仕事をしている人も増えている。ただ、「能率が下がる」「集中しにくい」の声も聞かれ、気を付けなければ仕事の成果が落ちかねない。企業の人事や総務から、「リストラ予備軍」を探されている可能性もある。

一方では、コロナ関連業務で多忙を極めている職種もあり、大量の仕事が片付かないと、体調やメンタルに悪影響を及ぼすこともある。

どうすれば、仕事を効率よく片付け、自分を磨いて次の「一手」につなげるための時間を確保できるのか。コロナ禍以前に、行動分析の専門家に聞いたインタビューをお届けする。

※2017年3月号本誌記事を再掲。内容や肩書きなどは当時のもの

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ハードワークの中で「自分の時間」を生み出す

株式会社 ウィルPMインターナショナル
代表取締役社長

石田 淳

(いしだ・じゅん) 社団法人行動科学マネジメント研究所所長。米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本人に適したものにアレンジ、「行動科学マネジメント」として確立。『新版「続ける」技術』(フォレスト出版)、『教える技術』(かんき出版)など著書多数。

新版「続 ける」技術

新版「続 ける」技術

石田淳著

フォレスト出版

まずは、仕事とプライベートを含めた、1日の時間の使い方を「見える化」し、「無駄な時間」を見つけましょう。そのために、「何時から何時まで、どんなことをしていたか」を計測し、行動ごとに手帳などに記録します。1週間も記録すれば、無駄に使っていた時間は一目瞭然です。

その行動について、「楽しかった」「つまらなかった」など、あなたの気持ちも記録してください。この「心の計測」データが集まれば、その行動を続けるべきか、やめるべきかが見えてきます。

「マイ・ルール」をつくる

一流の人は、1日の時間の使い方の「マイ・ルール」を持っています。計測結果から自分の行動パターンを振り返り、起床・就寝、始業・終業時のルーティン、メールチェックや会議など、自分の1日の時間割をつくってみましょう。

大切なのは、ルールに則って「迷う時間をゼロにすること」です。出張準備のように何度も繰り返す作業は、チェックリストを作ると、時間を縮められます。

また、各作業の締め切りを決め、緊急性や重要性が高いものから順に片づけていきます。予定外の仕事が入ることもありますが、それを見越して、少し余裕を持って締め切りを設定すれば、他の仕事への影響を最小限にできます。

1日の時間割は、新しい習慣を取り入れる時にも使えます。

例えば、「1日5分間、英語を勉強する」という習慣を身に着けたいなら、あらかじめスケジュールに入れておきます。そうすれば、毎回、「英語をやるぞ!」と奮起しなくても、スケジュールに従って動くことで、自然に習慣化できます。

習慣化において大事なのは、「ハードルを低くする」こと。私は45歳までの20年間、全く運動をしていませんでした。それでも週に2回、20分歩くことから始めて、徐々に時間を増やし、半年後にはフルマラソン、3年後にはサハラ砂漠マラソン(250キロメートル)を完走するところまでいきました。

人は、急激な行動の変化は持続できないので、最初は行う時間や量を少なく設定し、徐々に増やしていくようにしましょう。

集中して仕事を片付けるには、やるべき作業より「楽」なものが目に入らないよう、環境を整えることも大切です。

読書や英語学習などに取り組もうとする時、「テレビを見てしまう」などの「ライバル行動」が必ず現れます。

その場合は、部屋にテレビを置かない、カフェに行くなど、環境を変えることで、読書や英語学習などの「ハードル」を下げることが大事です。自分を高める方向で時間を使えるよう、環境を整えてみてください。(談)

【関連書籍】

『ザ・リバティ』2020年9月号

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