写真:Siraj Ahmad / Shutterstock.com

《本記事のポイント》

  • トランプ大統領がSNSの規制に関する大統領令に署名
  • ツイッターなどのSNSは、リベラルに偏る傾向がある
  • 言論の自由をめぐる「保守v.s.リベラル」の戦いが起きている

アメリカのトランプ大統領はこのほど、SNS(ソーシャルネットワークサービス)企業による投稿への介入を阻止することを目的とした大統領令に署名した。

今回の措置は、ツイッターが郵便投票に関するトランプ氏の2つのツイートに、「要事実確認」のラベルを表示したことがきっかけだ。

かねてよりトランプ氏が批判を展開するツイッター。同社は大統領令に対し、「オンラインの言論とインターネットの自由の未来を脅かす」と反論し、今後も不正確な情報には警告などの措置をとり続けるという。

SNSは政治的に偏向している!?

共和党もSNSについて、「リベラルに偏向する傾向があり、保守の言論が差別されている」と批判していた。果たしてSNSは本当に政治的に偏向しているのだろうか。ここでいくつかの事例を取り上げたい。

事例(1)右派のアカウントを停止

フェイスブックやユーチューブなどは2018年、陰謀論者として知られるアレックス・ジョーンズ氏の運営するアカウントの閉鎖・停止措置を実施した。これについてフェイスブックは、暴力描写やヘイトスピーチの規定に反する言動があったことを理由とした。

停止措置が行われると、即座にトランプ氏は「こうした検閲をするべきではない」とのコメントを発表し、さまざまな議論が巻き起こった。

この事件は、SNSの検閲やリベラルへの偏向に関する議論の発端となった。

事例(2)共和党議員のツイートをシャドーバンニング!?

米メディアVice Newsは2018年、自動で表示される検索候補に、民主党議員が表示されるものの、共和党議員が表示されないことから、ツイッターが共和党のツイートを「シャドーバンニングしている」という記事を掲載し、波紋を呼んだ。

シャドーバンニングとは、ツイートを意図的に他人が発見できないようにすることだ。

この「検閲問題」をめぐりトランプ氏は、「ツイッターは著名な共和党員らをシャドーバンニングしている。この差別、そして違法行為についてすぐに調査する! 不満だらけだ」と批判した。

事例(3)政治広告の掲載を禁止

昨年11月、ツイッターは政治広告の掲載を禁止すると発表した。この決定について、ツイッターCEOのジャック・ドーシー氏は、「政治的なメッセージを届けたいなら、金に頼るのではなく、その内容で訴える必要がある」と説明した。

これについても、2020年の再選を目指すトランプ氏の選挙陣営は猛反発する。

選挙マネージャーのブラッド・パースケール氏は「ツイッターは数億ドルの潜在的な収益に背を向けた。株主にとってとてもバカな決定だ」と指摘。また、「共和党の攻撃を意図した、リベラルの偏見を持つ依頼主からの広告も停止するのか?」と、禁止の範囲について疑問を呈した。

事例(4)ツイッターCEOが左翼的な偏向を認めるメモ

極めつけはドーシー氏自身が、ツイッターの政治的な偏向を認める発言をしたことだ。

同氏は2018年、社員へのメモで「我々が左派に大きく偏っているのは明らかだ。我々は皆バイアスを有している」「それは、私自身や役員会、会社全体を含む」などと記していた。

左翼運動に戦いを挑むトランプ氏

これらを見ると、ツイッターはリベラルに偏る傾向性があると言える。

トランプ氏は今回の大統領令署名にあたり、「SNSはもはや中立的な討論の場でなく『政治運動』を行っているため、規制が必要だ」と発言している。

つまり問題の本質は、言論の自由をめぐる「保守vsリベラル」の戦いなのである。

大統領令の発令には、「保守運動を封殺することは許さない」という、トランプ氏の確固たる意思がある。日本のメディアも左翼的な論調が強いと言われているが、トランプ氏はそれに対抗しているのだ。(大)

【関連経典】

『守護霊インタビュー トランプ大統領の決意』

『守護霊インタビュー トランプ大統領の決意』

大川隆法著 幸福の科学出版

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