コロナをきっかけに噴出する中国政府への批判 人命軽視の独裁政治に限界か

コロナをきっかけに噴出する中国政府への批判 人命軽視の独裁政治に限界か

写真:S.O / Shutterstock.com

 

新型コロナウイルスの感染拡大で、中国政府の統治体制に世界から批判が集まっている。

 

感染者や死者の実数を隠ぺいする情報統制もさることながら、新疆ウイグル自治区では、感染拡大を防ぐ名目で政府が住民を軟禁状態にし、飢餓が広がっているという。米首都ワシントンに本部を置く人権擁護団体「ウイグル人権プロジェクト(Uyghur Human Rights Project)」や米当局が出資する放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が、その実態を報じた。

 

本誌や本欄で何度も報じてきたように、中国政府は数百万人のウイグル人を「再教育キャンプ」と呼ばれる強制収容所に隔離し、イスラム教の信仰を捨てさせ、民族浄化を進めている。

 

本欄では、中国政府による宗教弾圧を止めるために、国際会議の場やメディアを通して発信し続ける専門家2人のインタビューを紹介する。

 

(※2019年2月号本誌記事を再掲。内容や肩書きなどは当時のもの)

 


 

 

真実を伝えるために
命をかける人がいる

 

新興宗教研究センター
(CESNUR)理事長

マッシモ・イントロヴィーネ

プロフィール

(Massimo Introvigne)1955年、ローマ生まれ。新宗教の研究者の国際的なネットワーク「新興宗教研究センター(CESNUR)」設立者。宗教社会学の分野で70冊の著書と100本以上の論文を発表。2011年に欧州安全保障協力機構の代表、12~15年にイタリア外務省の任命で「信教の自由の監視委員会」議長を歴任。

 私は中国で弾圧されている宗教について研究してきました。事態の悪化を受け、2018年5月、中国における宗教の自由の迫害と人権に関するインターネット上の雑誌「Bitter Winter」を創刊しました。

 学者、人権活動家、中国で迫害を受けている宗教団体の信者などが、ボランティアで寄稿してくれた記事を掲載し、リアルな実態をレポートしています。

 本誌は8月、「邪教リストに掲載されている宗教団体に対する行動計画」など、中国共産党内の極秘文書を入手して公開しました。こうした記事が中国共産党の逆鱗に触れ、すぐに全国規模の弾圧が始まりました。その結果、これまで本誌に寄稿してくれていた中国本土の記者が数人、逮捕されてしまいました。

 私たちが極秘文書を入手できるのは、政府の中にも情報を提供をしてくれる人がいるからです。中国国内から情報を提供してくれている人は全員、共産党に見つかったらどんな目に遭うかを誰よりもよく知っていながら、命がけで真実を伝えています。

 

 

本来「カルト」など存在しない

 フランスやベルギーなどでは、100~300ほどの宗教団体が「カルト」と見なされて報じられています。

 しかし私は、カルトとは政府が敵と見なした団体に貼ったレッテルに過ぎず、本来、カルトなど存在しないと考えます。

 確かに罪を犯した宗教団体は法の下に罰するべきです。しかし政府が正当な理由なく宗教に「カルト」とレッテルを貼って差別や弾圧をすることは、明らかに間違っており、民主主義国家のすることではありません。

 18年4月、ドイツに亡命したウイグル人が中国に強制送還された後、行方不明になって、処刑された可能性を指摘する人もいます。これを受け、ドイツでは亡命ウイグル人を強制送還してはいけないという法律ができました。こうした動きは評価すべきですが、まだすべての宗教難民には適用されてはいません。

 欧州各国でも、中国の宗教弾圧についての認識は高まってはいますが、国際的な活動はまだまだ不十分です。もっと多くの人に実態を伝え、行動を起こす必要があります。(談)

 


 

 

名前も知られていない信仰者を
苦しみから解放したい

 

難民の信教の自由に関する
国際機関(ORLIR)代表

ロシータ・ソリーテ

プロフィール

(Rosita Šoryté)1965年、リトアニア生まれ。外務省の外交官としてUNESCOのリトアニア政府代表部、欧州評議会のリトアニア政府代表部の職務を歴任。2014年~17年には国連のリトアニア政府代表部の公使を務めた。17年からは休職中。

 私は国連で働いていましたが、アメリカやノルウェーなど、中国の人権問題を批判する国がある一方で、中国と経済的な関係を持つ多くの国は、中国政府を全く批判しようとしません。

 私やマッシモ教授は中国を批判するので入国ができない可能性が高いです。中国を研究する学者やジャーナリストの多くは、中国に入れないと仕事にならないので、政府を本気で批判できません。それどころか、政府から賄賂をもらう人すらいます。

 ヨーロッパでは人権を守ることはごく当たり前です。だからヨーロッパ人の多くは、中国の今の実態が悲惨すぎて現実のことだと信じられません。しかし私は社会主義のソ連に占領されたリトアニアで生まれ育ちました。社会主義国家が国民をどう扱うかを、身をもって知っています。

 中国で弾圧を受けていた人は、自分に人権があることすら分からなくなっています。亡命してきた中国人には、「あなたにも人権があり、守られるべき存在なのだ」と教える必要があります。

 

 

自らの良心に忠実に行動する

 具体的な犠牲者数や証言などで実態が明らかになって初めて、国際社会は中国に対して動き始めます。弾圧を受ける人々からすれば、すでにこれ以上は耐えられないという限界の状態です。

 今も中国では、誰にも名前を知られていないような宗教の信仰者たちも、弾圧に苦しんでいるでしょう。私は、人として何をすべきかという自らの良心に忠実に、今後も行動していくつもりです。(談)

 

【関連書籍】

『中国発・新型コロナウィルス感染 霊査』

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大川隆法著 幸福の科学出版

 

【関連記事】

2020年2月23日付本欄 「学問の根本をたどれば宗教的真実がそこにはある」 大川総裁が香川で講演会「法力を身につけるには」

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タグ: 新型コロナウイルス  人命軽視  独裁政治  隠ぺい  情報統制  新疆ウイグル自治区  飢餓  強制収容所  

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