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2020年2月号記事

Book

著者Interview

医療ミッションを果たすための組織づくり

『世界最強組織のつくり方』を著した医師に、組織づくりのポイントについて語ってもらった。

グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)
戦略・投資・効果局長

國井 修

プロフィール

(くにい・おさむ)1962年生まれ。1988年自治医大卒、医学博士(東京大学)。民(AMDA副代表)、官(外務省課長補佐)、学(長崎大学教授)、国連(ユニセフ保健戦略上席アドバイザー)などを通じて、アジア、アフリカ、中南米など110カ国以上で、人道支援や感染症対策、保健政策の実践や人材育成に従事。

1990年代、エイズ、結核、マラリアの三大感染症が世界中で猛威を振るい、年間500万人もの人命を奪ってきた。この問題を解決するため、2000年に設立されたのが、国際基金「グローバルファンド(GF)」だ。

GFは、世界にもたらしたインパクトや透明性、説明能力の高さから、「世界最強の組織の一つ」と評されている。

『世界最強組織のつくり方』の著者・國井修氏は、GFの約10人の幹部の一人。國井氏に、組織づくりの要点について聞いた。

◆             ◆              ◆

──GFとは、どのような国際機関ですか。

國井氏(以下、國): 三大感染症の克服のため、最大の効果が出るメカニズムをつくっています。そして政府や国連などの国際機関、ビル&メリンダ・ゲイツ財団などの民間NPOなどとパートナーシップを結び、世界130カ国以上で事業を進めています。

2019年10月にフランスで開かれた会合で、各団体からGFに対し、今後3年間で140億ドル(約1兆5000億円)以上の資金提供が約束されました。今も感染症で何千万人もの人が苦しんでおり、毎日7千人が亡くなっています。日々、「一人でも多くの人を救い、信頼とニーズに応えたい」と強く願って活動しています。